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MARS The Y.A. #01


本坊酒造コメント
鹿児島本土より南南西約60kmの海上にある世界自然遺産の島・屋久島。
急峻な山々が連なり、豊かな水に恵まれたこの島に、マルス屋久島エージングセラーはあります。
「MARS The Y.A.」(マルス・ザ・ワイ・エー)は、この唯一無二の環境で熟成の時を重ねたジャパニーズウイスキーです。
ファーストリリースとなる今回は、信州と津貫で蒸留しバーボンバレルで熟成されたモルト原酒を中心にヴァッティング。
南国を想わせる果実香、セラーの東側に臨む隆起サンゴ礁が広がる海岸からの潮風を想わせる風味が伴う、屋久島らしさを感じる1本をお楽しみください。
https://www.hombo.co.jp/item/whisky_brandy/mars_the_ya_01/

香り
緩めのピート感が酸味の弱いパイナップル。そして発酵したかの様に
熟してねっとりとしたバナナの甘味、バニラの甘味、
醤油の発酵臭とホワイトオークの樽香がしっかりと香る。
どことなくマジックインキも香るが、総じて甘やか。
発酵臭がまだ感じられるので熟成期間は短いと思われる。

味わい
穀物由来のデンプンの甘味を感じると
直ぐに強めの酸味、わずかな苦味、辛味と塩っぱさが口に広がる。

本国モルト、余市やスモーキー山崎の様に
磯や海藻を感じる荒々しい潮っぽさとは異なり、
赤穂の天塩の様にマジメな日本の塩の旨味(ニガリ)を感じる。

甘い香りと真逆のドライでスパイシーな味わい。

加水後
香りから甘味が消えエステリーになり、青い柑橘が香る。
そしてノンチル由来の油脂の旨味が開き、鼻腔に染み入る。

味わいはシンプルな甘味とニガリ感は変わらないものの
辛味と酸味が増し、どことなく青い柑橘の綿も感じられる。

後味
ハードに焼いた樽を使用したと思われる焦げ感、炭感が残り
スッキリと消えゆくが、ノンチル由来の油脂の旨味が長く残る。

総評
甘やかな香りと他のモルトには見られないニガリの旨味をメインに
スパイシーな味わいで個性的に仕上がったモルト。
樽材から早く滲み出たのか、油脂の旨味を強く感じられる。

現状ではラベルの色使い→マンゴー、柿、青葡萄、ライチ等の
甘いトロピカル感はまだ再現できおらず、
ラベルの色使いにはスパイシーさが表現されていないが、
荒々しくない塩味が水色で再現できており、
将来的にラベルの色使いの味わい(塩の青と多様な果実の複雑な色合い)を
表現できる日を目指しているものと思われる。

ただし南国果実感の味わいを実現できる長期熟成期間が奪う
南国の天使の分け前を耐え残るか。
耐えたモルトの残量からの値付けが高額となるジレンマに耐えうる市場か。
将来の様々な悩みを想像してしまう、本坊酒造のチャレンジ精神を
香りと味わいから想像できる1stボトル。

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