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021. グレンギリー / Glen Garioch

2012.04.26

 深夜フェリーでアバディーンへやってくるも、ぐっすり眠れたおかげで疲れはあまり無い。なにより久しぶりの都会で、ちょっと歩くと、そこらじゅうに良さげなパブなんかあってかなりテンションが上がる。
 しかし、まずは蒸留所巡りである。スーパーで買ったサンドイッチで朝食を済ませ、向かうはオールドメルドラム、グレンギリー蒸留所である。

 大きなバスターミナルから、オールドメルドラムに行く325番のバスに乗り「オールドメルドラムまで」と言うと「オールドメルドラムのどこ?」と。「蒸留所」と答えると、全てを理解してくれたようで、30分ちょっとの後、蒸留所のすぐ前で降ろしてくれた。


(バスを降りて少し歩くと、石造りの建物にパゴダ屋根が!)


(シンボルの牡鹿のマークが。「BOTHY」は「小屋」の意だそうだ)


(二本の煙突と二棟のキルン。煙がもくもく)

 創業は1785年とハイランドでは最も古い蒸留所。石造りの重厚な建物が、その歴史を感じさせます。ちなみにいまの所有者は、ご存知日本のサントリー。ついでにいうとスコットランド最東端の蒸留所だったりもします。


(数年前にボトルデザインを一新。新しくなったロゴもありました)


(ビジターセンターの入り口でも牡鹿がお出迎え)

 ツアーの受付を済ませショップをふらふら。同系列のボウモアやオーヘントッシャンのボトルもたくさん並んでいた。
 ツアーのおばちゃんも「ここは日本のサントリーが持つ蒸留所なのよ」と紹介してくれた。その後も少し世間話のようなことをするのだが、英語が分からない。「これまで他の蒸留所には行ったことあるの?」と聞かれたので「ハイランドパークへ」と答えると「あそこは訛りがきつくてなにを言っているか分からなかったでしょう?」と笑いかけてくれるも、その台詞を理解するのに2回ほど聞き返すといった体たらくで、ホントに申し訳ない。
 そんなこんなで、もう一組、ロンドンから来たというご夫妻も一緒になってツアーはスタート。ビジターセンターでPVを見てから、まず向かうはモルトハウス。

 かつてはフロアモルティングが行われていたが、いまではツアー向けの展示が並ぶモルトハウス。当時使用していたという道具や、ここに運ばれてきた大麦がどういう処理を施され次のステップに進むかを説明して次へ。

 そして、今回の旅、久しぶりに写真OKの蒸留所内。せっかくなので写真を多めに。


(まずはキルン。モルトハウスで発芽された大麦はこちらで乾燥させ、成長を止めます。実際にキルンの中に入れて、ここからどうやって煙が抜けていくのかといった説明を受けながら上を見上げる。面白かった)


(次の過程はミルマシンによる粉砕。乾燥した大麦を粉にしてふるいにかけ、その粗さ別にハスク・グリッツ・フラワーの三種にわけます)


(PORTEUS社のミルマシン。どこの蒸留所でも見かけます)


(一旦グリストビンに貯められた大麦は、マッシュタンでお湯と混ぜ、糖化の工程が行われます)


(ちょうど投入されている真っ最中でした)


(ぴかぴかのステンレス製)


(続いての工程がウォッシュバックによる発酵。こちらもステンレス製)


(ドライイーストを投入して発酵させます)


(覗き込むと、イーストが元気に活動中。ぼこぼこ)


(これらはすべてコンピュータで管理されている)


(そしてスチルハウス!初留1基に再留は2基)


(初留釜の長ーいラインアームが特徴的)


(なるほど長ーい)


(そしてこちらは再留釜。初留と形は同じだけどサイズが小ぶり)


(再留釜は2基。色が違うのは歴史が違うからだろうか?)


(面白かったのが、再留の2基でラインアームの角度が違うこと。奥の再留釜がわりと直線的にコンデンサーにつながっているのに対し、手前の再留釜はぐいっと角度をつけてコンデンサーにつながっている)


(こちらがスピリットセーフ。スチルから蒸留されたスピリッツを頭(フォアショット)とハート(ミドルカット)としっぽ(フェインツ)に分けたりします)

 そしてできあがったニューポットはウェアハウスで長い眠りにつくわけですが、ウェアハウスの見学は出来なかった。この場には無いのかな?

 そんなこんなでビジターセンターに戻ってきて試飲。ファウンダーズリザーブをいただいたのだが「こっちも飲んでみる?」とニューポットも試飲させてくれた。
 
 大満足でツアー終了。一緒にまわっていたロンドン人ご夫妻と世間話などするも、奥さんに「あなたはもっと英語の勉強をした方がいいわね」とズバッといわれてしまう。うぅ。。半べそをかきながらアバディーンへ帰るのでした。

#Glen Garioch

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