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002.ローズバンク/ Rosebank

2012.04.05

 リンリスゴーの町を堪能したあとはさらに西にあるフォルカークという町まで向かいます。

 ここでの難関が初めてのバス乗車。地球の歩き方先生によると「バスに乗り込んだ際、運転手に目的先や片道か往復かなどを告げると、料金を提示される」とある。無事に乗り込んだら今度は降車。「目的地に近づいたら、車内にあるボタンを押すか、運転手に直接言うかして降りる意思を見せる」とある。なんだ「降りる意思」って。直接なんて言えばいいんだ。ストップ!ヒア!か。。?さらに心配なのが「スコットランドでは町名も書かれていないバス停がたくさんあるので、慣れない旅行者はどうしても乗り過ごしてしまう。乗り込む時に、運転手に『着いたら教えて』と一声かけてから席に着こう」とあること。もうパニックである。なにがなんだか分からん不安いっぱいな様子で、バスストップの時刻表を眺めていると、やってきたおばあちゃんが「どこへ行くの?」みたいに話しかけてくる。わわっ、と思いながらも「フォルカークへ」と答えると「それならこれよ」と時刻表を指差して教えてくれて、スコティッシュの優しさに触れた。目的のバスは38番のバス。こちらでは、バスが来たら、手を上げるなどして乗車の意思を明確にしないと、例えバス停で待っていたとしても、そのまま通過されてしまうのだということを聞いていたので、バスの来る方角を眺めながらもそわそわ。そして頭の中では乗降の手順を繰り返しやる。幸い、地球の歩き方先生の巻末に「旅の基本英会話」として例文が載っていたので、それを何度も繰り返し呟く。もう丸暗記である。この乗車前に私が覚えなくてはいけない文章は二つ。「A return to Falkirk, please.(フォルカーク行きの往復でお願いします)」と「Please tell me when we get to Falkirk.(フォルカークに着いたら教えてください)」である。特に後者のフレーズは、英語恐怖症状態の私にはハイレベルなフレーズである。ぶつぶつ言いながら、最終的には地球の歩き方のそのページを開いた状態で握りしめながら、どっきどきの乗車。前者のフレーズは問題なく伝わり、料金を支払ったら目的地の印字された紙ペラのチケットを渡してくれたのだが、問題はやはり後者のフレーズである。私がそのフレーズを言った途端、運転手のおっちゃんは怪訝そうな顔でなにかこちらに言ってくる。最早テンパリ度はマックスで、なんとか聞き取ろうと努力するのだけれど、やはりなにを言っているのかさっぱり分からない。最終的におっちゃんが「OK」と言ったのだけは分かったので、心に蟠りを残しつつも席に着く。走ること50分ほど。そろそろだと思いそわそわしているのだが、おっちゃんは何も言わないし、そもそも「教えて」ってどうやって教えてくれるんだろう、みたいに考えていると、あるバス停に到着。かなりの乗客が降りて行くのを見送っていると、その中の一人であるご夫人が「ここがフォルカークよ」と声をかけてくれる。どうやら、私と運転手さんのやり取りを聞いていたらしく、親切にも教えてくれた様子。慌てて降りようとしたら、運転手さんが何かをジェスチャー交じりにで伝えようとしている。なんとか聞き取れた内容から察するに「帰りのバスはここの3番スタンスからだからな」みたいなことを言っていたっぽい。定かではないが。


(無事辿り着いたフォルカークの街並。小さく可愛らしい町だった)

 さて、フォルカークまで着いたはいいがローズバンクはどこだろう。大体の場所しか分かっていないので、まずは駅前に設置してある地図で現在地を確認し、コンパスで方向だけを確認しててくてく歩いてみる。手がかりは道路と川のラインくらいなものだったので、これで見つかったら奇跡だよな。。とか思いながらもてくてく。いまにして思えば、これだけの手がかりさえあれば充分な気もする。なんせ道は一本で方角さえ間違えなければ大丈夫なのだから。
 さて、不安を感じながらどのくらい歩いただろうか。道の先に煙突が見えて来た。

 これは!と足早に近づいて行くと、橋を渡りきった左手側に「Rosebank」の文字が!

 うっひょーい!もうわくわくで近づいて行きます。


(正面から)

 こちらの蒸留所、現在は「BEEFEATER GRILL」というレストランに改装しております。となりに「Premier inn」という看板も出ていたので、もしかした泊まれもするのかも。ここまで来たのだから中へずかずか入って行きます。


(ローズバンクで食べたバーガー)

 中はこぎれいなレストランになっていて、蒸留所の名残は一切感じられませんでした。初めてのレストランで緊張しましたけど、日本を発って以来、久しぶりにまともな食事(と言ってもハンバーガーだけど。。)にありつけた感じがして美味しかった!

 食後は道路を挟んだ向かいの建物も見に行きました。


(まるっきり廃墟の様相)


(草もぼうぼう)


(「アルコールやドラッグはアンタをダメにするよ!」的な看板が立てられていて笑った)

 と、こんな具合で、建物自体はまだ残っているものの、かなーり寂しい雰囲気の廃墟となっておりました。やはり、公共事業とはいえ蒸留所と建物の間に広い道路を通してしまっては、運営に支障をきたさざるを得ないでしょう。再開の噂が絶えない蒸留所のひとつですが、実現は難しそうです。

 無事、お腹も満たせてローズバンク跡地も見学できたので、帰りはリターンチケットを使ってバスと電車を乗り継いでエジンバラへ。 

#Rosebank

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