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085. グレンロッキー / Glenlochy

2012.05.21

 フォートウィリアムは、英国最高峰ベンネヴィス山のお膝元にある大きな町。しばらくヘブリディーズなど辺鄙なところに行っていた私にとっては、久しぶりの大きな町といった感じだった。
 とは言え、私にとってはあまり町の規模などは関係ない。せいぜい、パブがたくさんあるのが嬉しいなーくらいなもので、どんな町に行っても結局はそこは蒸留所巡りの拠点でしかないわけで、今回も早速、町外れにあるベンネヴィス蒸留所を目指します。

 フォートウィリアムの町からベンネヴィス蒸留所までは歩いて30分強ほど。マレイグから乗ってきたバスは地図上緑色の幹線道路A830から右折してA82へ入るコースを通っていたので、ちょうどその交差点にあるベンネヴィス蒸留所は、バスの中からも確認することが出来た。
 ホントはそこで「ここで降ろして!」と言えば降ろしてくれたのだろうけど、うつらうつらとバスの揺れに心地よくなっており、頭がぼんやりしたままで「あー過ぎていってしまうー」と車窓を流れるベンネヴィス蒸留所の姿を見送ったのでした。
 そんなわけで、場所はしっかりと確認が出来ている。道に迷う心配などはないのでしっかりとした足取りでベンネヴィスを目指します。

 汗ばむほどの陽気だったこの日。大きなバックパックを抱えながらの移動は少し大変でしたが、伊達に英国最高峰のお膝元にあるわけではありません。少し町を離れて遠くを眺めると、雄大な山々の姿を拝むことができ、気持ちよい気分になりながら歩くこと10分ほど。目的のベンネヴィス蒸留所に到着するにはまだまだ早いはずなのですが、目の前に明らかなパゴダ屋根が現れました。
 
(むっ!?あれは!)


(この姿は明らかに蒸留所!)

 こちらの建物は旧グレンロッキー蒸留所。他にも多くの蒸留所が閉鎖に追い込まれたウイスキー大不況の時代を象徴する1983年に閉鎖された蒸留所の一つです。現在は建物だけのこして中身を地元の企業がオフィスとして使っているとのこと。ご覧のように美しい外観を保ったままでいるのは、歴史的建造物として保存が義務づけられているからなんだそうです。外からみると、まだまだ現役の蒸留所みたいです。


(ちなみに周りにはご覧のような「Distillery Guest House」や)


(「Distillery Cottage」という名前の宿泊施設もある)


(敷地内へ入って行けたのでずかずかと。こちらの通りは、その名もずばり「グレンロッキー・ロード」という)


(正面玄関と思しきドアには「Millhouse」の文字も)
 
(おそらくかつてはウェアハウスであったろうと思しきレンガ造りの建物)


(蒸留所の周りは、おそらく一般の住宅と思える一軒家が囲んでいた)


(裏手には樽のディスプレイもあった。きょろきょろしながら周りをふらついていると、突如、半裸のおっちゃんがロッキングチェアーに座って日光浴をしていたりしてびびった。ものすごい怪訝そうにされましたよ)


(最後に再び正面にもどってぱちり。屋根の上には風見鶏がいるな)

 そんなこんなでグレンロッキー蒸留所を一回りして、当初の目的であるベンネヴィス蒸留所を目指します。

#Glenlochy

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