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031. グレンキース / Glen Keith

2012.05.02

 グレントファースからてくてく歩いてキースの町まで戻ってきた私。
 この町は3つの蒸留所(グレンキース、ストラスアイラ、ストラスミル)がありますが、まずはどこから行くか思案。。
 グレンキースは現在操業停止状態にある蒸留所だし、ストラスミルはノービジター。確実に見学ツアーができるのはストラスアイラだけです。
 つまりストラスアイラは後回しにしてもいいってこと!と、まずはグレンキースを覗いてみます。
 キースの宿からは、歩いても5分かそこらでついてしまうようなご近所さんです。


(やはり目印となるのはパゴダ屋根)

 目印のパゴダ屋根に向かってどんどん歩いていくのですが、近づいていくに連れ工事中のような音が!


(敷地内に重機が運び込まれている)

 休止状態になったのが2000年。それから再開の噂もあったのにまさか!と思いながら近寄っていくと、まさしく取り壊している最中。
 なんてこった。。ここのモルトは好きなのに。。とショックを受けながらもふらふら。
 さすがに工事しているおっちゃんたちに話しかけても無駄なだけだろうから、それは諦めて、また夕方過ぎの作業が終わった頃にでもこよう、と思って一旦退却します。


(中では工事のおっちゃんたちが忙しそうにしていた。門は閉ざされフェンスで囲まれており、部外者の侵入は許されない雰囲気)

 しかたがなかったので、他の蒸留所を巡るなどして時間を潰し、夕食も終えた20時ごろ。さすがにもう工事の人たちも作業を終えただろう、と宿を出て再び向かいます。


(辺りはすっかり薄暗くなっている)

 予想通り工事は終わっており、敷地内に置かれたままの重機も静けさを保っている。
 が、しかし。当然と言えば当然なのだが、メインエントランスの門はかっちりと閉じられ、中に入ることは出来そうもない。
 くそぉ。思いつつ、裏口に回ると、裏口の門はまだ開いているじゃありませんか。オフィスと思しき建物にも、まだ光が灯っているし、これはチャンス!と、ずかずか中に侵入していきます。

 せめてオフィスには声をかけよう、と思っていたのですが、オフィスの隣にあるのがスチルハウスだということに気付き、直接スチルハウスにお邪魔することに。


(右手の赤が初留、左手の青が再留)

 スチルハウス内は一層静まり返っており、ホントに埃だらけで、完全に廃墟のよう。放置されたままの状態で、チープな表現ですが、時が止まったかのようでした。


(スチルは計6基。初留がすとーんとしたフォルムのストレートヘッド型なのに対し、再留はボール型で面白い)


(中でも面白かったのが、一番奥にあったこちらのペア。初留釜は他のスチルと比べてかなり背が高く、再留釜も他のペアとは違いストレートヘッド型。しかもラインアームがかなり上向きに伸びている)


(また、こちらのペアだけは両方ともコンデンサーが室内に設置されていたのも面白い)


(コンデンサーの足下には、埃で中が見えないほどにくすんでしまったスピリットセーフの姿も)


(薄明かりの中、静かに立っているスチルたち)

 静謐な厳かさのような空気さえあるスチルハウスで、廃墟萌え属性のある私にとって、廃墟×蒸留所は完全にご褒美物件。しばしみとれてしまいました。

 なお、同系列の兄弟蒸留所、ストラスアイラで確認したところ、グレンキースは「取り壊し」ではなく「改修」とのことで、規模を拡大して2013年の再開を予定しているとのこと。今後も楽しみな蒸留所です。
 

#Glen Keith

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