2012.04.19
四泊したインヴァネスの街を離れ、さらに北へ。向かうはアルネスという町です。
ツアー時間の関係で、先に目指すはダルモア蒸留所。バスで40分ほどかけてアルネスの町に到着し、そこからは徒歩で向かいます。町を東西に横切るハイ・ストリートを東へ。まっすぐ行けば20分足らずで到着する予定だったのだが、道に迷って倍近くかかってしまった。
(シンボルの鹿の紋章が描かれた看板)
(門にもしっかりと名前がデザインされていた)
こちらの蒸留所は、ツアーを受け付けているものの完全予約制。前日までにダルモアのHPからメールを送っておかないと、ツアーの受付はやってくれません。
オフィスまで行くと、品の良いおばちゃんが出迎えてくれて「予約はあるかしら?」と。「昨日メールしたよ」と答えると、すぐに理解してくれた。
(ディスプレイされているボトルたち)
(面白かったのが「リバーズ・コレクション」と銘打たれた4本のボトル。サーモンフィッシングで有名なスペイ川・テイ川・ツイード川・ディー川の名が冠されたボトルで、売り上げの一部はそれぞれの川の保全のために寄付されるんだそう)
ボトルの並ぶオフィスには、リヴァイバルされたばかりの「シガーモルト」もあり「これは俺のフェイバリットなんだ」と言うと「新しくなった方?」と。「前のやつ。こっちはまだ飲んだこと無い」と答えると「新しいのも美味しいわよ」とにやりとして、ツアーがスタート。
蒸留所内入り口に飾られた一枚の絵から、まずはシンボルマークの牡鹿に関する説明からスタート。
かつて、鹿狩りで有名だったこの地に訪れた当時の国王、アレキサンダー3世が、ハンティングの途中で牡鹿に襲われそうになった時に、後にダルモアのオーナーとなるマッケンジー家の先祖が、その牡鹿に立ち向かい、国王の命を救ったんだそうな。以降、マッケンジー家は牡鹿の紋章を使うことがゆるされたそうな。
そんな説明を受けながら中へ。ツアー中、案内のおばちゃんが、ダルモアの酒質を説明しながら「私はピートの香りが嫌いなのよ」と笑っていたのが感じよかった。
この蒸留所の目玉はなんといっても、そのスチル。4組のサイズも形も異なるスチルはどれも見物です。T字シェイプと呼ばれる上部が平でネックが水平に伸びているタイプのスチルも珍しいが、特筆すべきはやはりここ独自のウォータージャケットのついた再留釜。円筒形の寸胴のようなボディの上部からネックが生えているようなデザインで、本当にユニーク。写真撮影はNGだったので、是非行ってみてもらいたい。一見の価値ありです。
蒸留の工程は全てコンピューターで管理されているようで、パソコンで各スチルの状況などがモニタリングできるようになっていた。
(樽の並ぶ蒸留所敷地内)
(どの蒸留所にも川は流れている。仕込み水としても使えるし冷却用にも。ウイスキー造りはとにかく水が重要なのだ)
最後はダルモア18年を試飲させてもらって、ほくほく。ウェアハウスの見学を終えて外に出た際、おばちゃんが「いい天気ね。この天気がずっと続けばいいけど」と言っていたのだが、まさしくその言葉が前フリになったかのように、ツアーを終える頃には大雨。リュックにザックカバーをかぶせて、次の蒸留所へ向かいます。
#Dalmore