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091. ブルイックラディ / Bruichladdich(フェス編)

2012.05.27

 アイラ島3日目。日頃の行いがいいのかこの日も雲一つない晴天である。島の公共交通機関はバスのみで、もちろん一日の内に数便しか走っていない。この日は日曜日だったため、ただでさえ少ないバスもすべて運休。フェスティバルバスと呼ばれる特別運行のバスが何便かあるがそれだけである。
 しかし、この日の予定は、宿から一番近いブルイックラディ蒸留所のみ。バスが関係ない距離にあるので大変に助かる。さらにこの日はブルイックラディのオープンデイでもあるのだ。なんとも幸運である。

 蒸留所がオープンするのが正午。しかし、ホステルは10時から17時までの間、完全に閉まってしまい、追い出される。先日買っておいたチーズやハムでサンドイッチを作って朝食を済ませると、9時半過ぎにはホステルを出てゆっくりと歩き始めます。


(やはりアイラにもこいつらはいる)

 この時期にポートシャーロットのホステルに泊まっている人なんていうのは、十中八九フェス関連の観光客で、私と同じように宿を追い出された人たちが、列をなしてブルイックラディへの一本道を歩いて行く様は、なかなか面白かった。

(しばらく歩くと、左手にすっかり錆び付いた「BRUICHLADDICH」の標識が)

(その標識から5分ほどで蒸留所が見えてきます)

(オープン前なので門は閉じられている。色とりどりの旗がはためいており、お祭り前の静けさという感じだった)


(ブルイックラディ蒸留所の顔とも言える、門脇にあるスチルのオブジェ。上部には足がつっこまれている)

(樽を運んできたと思しき車も止まっていた。蒸留所の目の前はご覧のように海である)

 オープンまでまだ一時間以上あるというのに、門の前にはもうたくさんの人だかりが出来ていた。私たちのホステルから来た人はもちろん、例のフェスティバルバスで来た人、個人で車を運転してきた人など、ぞくぞくと門の前に集まってきて、その門が開くのを今か今かと待ちわびているのである。

 オープンまで30分と迫った頃、突然、人だかりの中から大きな声で何かを呼びかけるような声が響き、それに呼応するように周囲の人も声を上げ始めた。
 何事だろう?思いながら近づいていきその人だかりを覗き込むと、その中心にいたのはブルイックラディのTシャツを着た蒸留所のスタッフさん。手にはボトルを持って人だかりに向かってまた「ウイスキー飲みたいかーい?」と煽っている。周りも周りで、待ってましたとばかりに声をあげ、スタッフさんを取り囲むと、渡されたプラコップを突き出して、ウイスキーを注いでもらっている。
 
(あっという間に囲まれていたスタッフさん)

 私もしっかりプラコップを受け取ると、ウイスキーを注いでもらい、満足顔で喉を湿らせます。

(海を眺めながら朝一で飲むウイスキーは最高!小さなカップを呷るとアイラの陽光が目に飛び込んできます)

(みな、もらったカップを片手にオープンを待っています)

 スタッフの方は、ういすきーを配りながらも、フェスの有料プログラムのチケットも売っている様子。マスタープログラムのチケットなどもまだ残っている様子で、これはとても貴重な機会なのだが、私のような貧乏旅行者にとっては高嶺の花。おとなしくいただいた一杯だけを手にオープンを待ちます。

 そして人々のカップもあらかた空になった頃、遂にタイム・ハズ・カム!門が開いて、みな一斉になだれ込み…。と行きたい所だったのですが、どうやらブルイックラディのオープンデイには入場料が必要な様子。なんと?と思いつつ、7£支払ってチケットを買うと、それで2杯までは無料で飲めるチケットがついてきた。

(祭りの開始です)

 蒸留所内に入ってまずはぐるーっと一周。あちらこちらにテントやパラソルが立っており、その下ではアイスやハンバーガー、ビールやカクテルやウイスキーを売っている。さながら日本の屋台のような雰囲気である。

(こちらはハンバーガー屋さん。隣にはアイラオイスターも売っていた)

(こちらではアイラの民芸品のようなものを売っていた。さながらバザーのような手作り感)

 数あるブースの中から、メインと思しきビールやらウイスキーやらを売っているテントへ。すると目に飛び込んできたのがこちらのボトルたちである。

(ブルイックラディ、フェスボトル2012!)

 バローロ樽熟成の20年もの。100£っていうかなり強気の価格設定だったのだが、興味はある。なんと言っても、これが初めて出会ったフェスボトルなのである。買いたい気持ちがむくむくとわき上がってくるのを感じつつ、周りを見渡すと、なにやらみんな、さっきと同じようなプラカップを次々と受け取っているではないか!これは!と思い「試飲できるの?」と訊ねると「2£よ」と。まぁいっかと、支払って試してみましたが、どうも渋みがあるというか、値段の割にそれほどでもないような印象を受けてしまい、結局購入は諦めることに。

(ビジターセンター兼ショップの中はいつ入ってもすごい人でした。シャツやタオルなどグッズも豊富)


(今年のフェスボトルTシャツもあった。イカス…?)

(ショップの中で面白かったのがこれ。「DUTY FREE」のトイレ)

 オープンデイの間は、蒸留所の建物の中へも基本的には入りたい放題。全部の施設が開けっぴろげに見られたのだが、無料でツアーも行われているというので、折角なので、そのツアーにも参加。その様子は次回の記事であげるとして、今回はフェスの盛り上がりを中心にお伝えしましょう。

(中央のステージでは入れ替わり立ち替わり様々な催しが行われていた。おばさま方がのんびりしたステップを踏んだり)

(お兄ちゃんたちがロックを演奏したり)


(お嬢ちゃんたちがハイランドダンスを踊ったりしている)

(こんなにも青い空の下、みんながウイスキーを手にしながら赤ら顔で笑い合っているのだ。雰囲気は最高だ)

(パイプバンドはステージを下りてフロアで演奏。アイラで唯一のパイプバンドなのか、フェス中にパイプの音が聞こえてきたと思ったら間違いなくこのバンドがいた)

 そんなこんなでブルイックラディ(フェス編)は終わり!次回はブルイックラディ(蒸留所編)をお送りします!

#Bruichladdich

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