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ストーノウェイ、市内観光

 今回は、アビンジャラク蒸留所見学までの間にふらついた、ストーノウェイの街並を少しだけご紹介。

 ストーノウェイはかなり大きな港町。スーパーもあるし、ホステルもあるし、パブだってレストランだってある。私のようなバックパッカーにとっては宿とスーパー、そしてパブが揃えばあとは何も要らないのだが、とは言っても空いた時間を潰せるなにかがあると嬉しいもの。そんな時、スコットランドで最も手頃な観光資源が、古城です。

 街並に自然と歴史ある古城が並んでいることも多い、スコットランド。本土を離れた、ここルイス島でもそれは同じなようで、川を挟んで町の対岸にはルース城という古城があるとのこと。そこを目指しててくてく歩きます。


(町の中心からすぐに城の姿は確認できるのだが、川を挟んでいるため、ぐるーっと北側から回り込まないといけない)


(川をわたるとそこはゴルフコースなんかもある大きな公園になっている。緑の気持ちいい歩道を歩いて行くと…)


(こちらのルース城に到着です)

 残念ながら、ルース城は現在、ご覧のように工事中で、せっかくの古城もあんまり雰囲気がない。
 お城は残念でしたが、周りの緑はとても気持ちよく、時間つぶしの散歩にはもってこいな場所でした。

 ルース城を通過して、さらにゴルフコース沿いに公園の奥まで進んでいきます。


(まっすぐ伸びる歩道がとてもいい感じ)


(なにやら拓けた場所にでました)

 小高い丘の上にたって周りを見渡すと、なにやら遠くの方に塔のような物が見えます。今回の散歩の目標をその謎の塔に設定して、どんどん歩いて行きます。

 1時間もかからないくらいで塔の近くまで到着。


(お馴染みのハリエニシダの黄色がとっても鮮やか)


(近づくにつれ、その存在感の大きさに気付かされます)


(塔のわきには、ちょっとしたストーンサークルと花輪が添えられている)


(説明書きには「WAR MEMORIAL」の文字が)

 謎の塔の正体は「WAR MEMORIAL」。この手のモニュメントも、一つの町に一つあるといってもいいくらいたくさんあります。一次大戦、二次大戦を筆頭に、なんどとなく戦火に覆われているスコットランドでは、こういったモニュメントも、古城と同様に、生活の中に馴染んでいるような気がします。


(抜けるような青空の下、町を見下ろす高台に聳える塔)


(ケルティッククロスには1939-1945とあったので、こちらのモニュメントは第二次世界大戦のものと分かる)


(塔から町を見下ろす。天気もよくとても気持ちがよかった)

 古城やWAR MEMORIALという歴史のある建物をまわった所で、お散歩は終了。
 町に戻ると、パブで知り合った老人が教えてくれた「タイカフェ」というお店に入ってみる。
 ここまできてタイ料理も無かろう、と思っていたのだが、せっかく「おいしいよ」と教えてくれたのだし、一度くらいは食べてみるのもいいかな、と。
 レストランだったのだが、テイクアウェイも出来るようだったので持ち帰って食べることに。
 メニューを見せてもらっても、メニュー名から料理の内容が想像できるようなものは少なく、かろうじて、これにはエビが入ってるのだな、とか、チーズが使われてるな、とかが分かる程度。
 自分でも、もう少し分かるだろうと思っていただけに、慌てふためきながらも、シーフードという文字が確認できたメニューを指差して購入。しばらく待っていたら、使い捨ての容器に入れられたほかほかの料理を渡されて、ホステルへ戻ってから食べることに。
 この容器、表面が白くて中の様子が確認できなかったこともあり、結局持ち帰って開けるまで、中身がどんな料理なのかさっぱり分からなかったのが少し面白かった。
 開けて見ると、それはスープカレーのようなもので、こちらとしてはご飯が欲しくなる。せめてチップスだけでもあれば…。と思いつつ、そういえば、オーダーの際に「あれはいらない?これはいらない?」と訊かれたのだが、全部断ってしまった。あれはもしかしたら、そういったメインのアイテムを勧めていてくれたのかもしれないな、と気付くも、時すでに遅し。仕方ないのでスープカレーをぱくぱく飲んで、まぁそれなりにお腹もふくれる。おいしかったし。
 ちょうど隣で食事を始めた男性がいたので声をかける。オーストリアから来たという彼は、ここルイスにサイクリングを目的に来たんだそうだ。なんでも、この辺にはサイクリングに適したコースがあるとかで、アウトドアファンの間ではそこそこ有名なんだそう。へー、と思いつつ「俺は蒸留所を訪ねに来たんだ!」と言ったら、彼も、へー、というリアクションだったので、お互い様。同じ場所に来ているのに、それぞれ興味を持っているものは全く関係ないものっていうのが面白かった。これもドミトリーのホステルならではの出会いと言えるかもしれないな、と感じた。
 結局、彼とはあーだこーだカタコトの英語で世間話をして楽しかった。あとで気付いたのだが、部屋も一緒だったようで、クッキーくれたりお返しにチョコあげたりして、仲良しになれた気がする。
 そんなこんなで、夜は部屋でのんびりしていると、なにやらロビーの方が騒がしく、パーティーのような嬌声が聞こえる。
 彼と「なんだろうね?」と言い合っていると、突然部屋のドアが開いて「今日でこのホステル5周年なの!」と宿の女のコが入ってきて、白ワインを振る舞い始める。いただいた白ワインを彼と傾けながら「室内でアルコール飲むことは禁止!」と書かれている貼り紙を見て笑い合う。そんな夜。ストーノウェイの夜が更けていく。


(ホステルの部屋。木製の2段ベッドはパイプベッドより揺れないので寝やすい)

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