2012.05.25
さて。先日のアードベッグ(アードボッグ)デイをもって、今年のアイラフェスも閉幕を迎えましたが、この記事の中ではまさにフェスティバルがスタートしたばかり。まずはアイラの地図と一緒に、この島にある蒸留所の数と位置を確認しておきましょう。
ご覧の通り、現在この島にある稼働蒸留所はカリラ、ブナハーブン、ボウモア、アードベッグ、ラガブーリン、ラフロイグ、ブルイックラディ、そしてキルホーマンの8カ所。そして、閉鎖蒸留所で現在は製麦業者として稼働しているポートエレンもこの島にあります。
まずは島の東側、ポートアスケイグの港に着いた私。宿に向かうより先に、蒸留所を目指します。
ポートアスケイグから、つづら折りになっている坂道を徒歩で登ります。港の周辺には一軒のパブやターミナルオフィス、ポストオフィスなどを除いては何があるわけでもなく、バスが発着しているため、フェリーで到着した多くの観光客はバスでそれぞれの行く先へと向かうのですが、私がまず行こうとしていた蒸留所であるブナハーブン行きのバスはない。気持ちのいい陽光が照りつける中をアイラ!アイラ!言いながら歩いて行きます。
気付くと、私の他にもバスに乗らず坂道を登っている人もちらほらいる様子。徒歩の人たちの先陣を切って歩いていた私ですが、そのうち、その中の一人に追いつかれ「どこまで行くんですか?」と訊ねられる。「ブナハーブンまで」と答えると、どうやら彼はカリラまで行くつもりだったらしく「ブナハーブンまでは流石に遠くない?」みたいに驚いていた様子だった。そうかとも思うも、私のとっているホステルは島の西側、ポートシャーロットのホステルなので、なるべくいまのうちに島の東側にある蒸留所はまわっておきたいのである。イングランドから来た彼とは少し話しながら歩き、最後は「Have a nice whisky !」と言って別れる。うーん。これは気持ちいい。
(港からの坂道を登ってしばらく歩くとカリラへの看板が出てくる)
(さらにそこからもう少し行くと、ブナハーブンへの看板が)
港からブナハーブンまでは、グーグルマップ先生によると4.5マイルほど。徒歩でも2時間はかからないほどの距離なので、せっせと歩くつもりです。看板を曲がって、いざ!と歩き出した頃に車が止まっており、中から声をかけられる。「まさかブナハーブンまで歩く気か?」「いえーす」「おー、ユーアータフガーイ」みたいに声をかけられ、一瞬車なんだから乗せてくれないかな?と思うも、中にはもう4人も乗っている様子で、私を乗せる隙間はないみたい。いいんだ。俺はアイラの空気と景色を楽しみながら歩きたいんだ、という感じで歩き始めます。というわけでブナハーブンまでの道すがら、アイラの景色をゆっくりご堪能ください。
(ただひたすらに伸びていく道を行きます)
(島特有の起伏に富んだ地形)
(ゴースだろうか、黄色い花が咲いているのだが、暑さでだいぶ参っているようだった)
(のんびーり行きます。この辺りで、向こうからやってきた自転車の二人組に「蒸留所ならまだまだだよ。頑張って!」と声をかけられる)
(海に向かって一直線に伸びる道。その脇にはなにやら樽が!)
(近づくとブナハーブン蒸留所までの看板代わり。こんなところでもテンションがあがります)
(その看板からさらに進み、長く続く坂道を下ると…)
(ようやく到着!ブナハーブン蒸留所です!)
(アイラ島の蒸留所のモルトを使ったブレンデッドモルト、ブラックボトルのホーム蒸留所でもあります)
(フェスにあわせてか、職員さんが蒸留所の桟橋に旗をつけていた)
長いことあるいてようやく到着。ブナハーブンでのツアーは予約が必要で、前日までにメールを送っておきます。フェスの期間ということもあってばたばたしている割に、ツアー客は私一人のみ。まぁオープンデイではないので人気がないのは当然ということも出来るかもしれません。むしろ職員さんたちはフェスの準備に追われている風で、私一人のためのツアーの時間も惜しい、という感じでした。
(規模に比して立派な門)
(石造りのしっかりした建物です)
(同蒸留所のボトルがずらーっと。見たことないボトルもたくさん)
そんな様子だからか、ツアーのおばちゃんもなんとなく素っ気ない感じ。さらに私が英語を半分も理解できていないとみるや、半ば呆れたような感じで愛想はさらになくなっていきました。
(マッシュタンを撮ろうとしたのだが、部屋が小さすぎてこれ以上引いて撮ることが出来なかった)
(スチルハウス。ブナハーブンのトレードマークである船乗りのデザインの下に、ブラックボトルのロゴが描かれたスピリットセーフ)
(スチルは計4基。こちらのペアと…)
(反対側の壁にもう1ペア。さっきのペアはコンデンサーが屋内にあるのに対し、こちらのペアは壁を突き抜けた屋外にある。「なんで?」と訊ねると「さぁね?スペースが足りなかったんじゃない?」と、あくまでつれない素振りである)
(「しずく型」とでも呼べそうなほどにまんまるな円錐形のスチル)
(狭い部屋のため、傾いたり段違いになったりして配置されている)
(こちらはフィリングストア。奥の黒いドアの向こうがウェアハウスになっている)
最後は試飲をさせていただくも、どうにもあわただしく、私にグラスを渡すと「ごゆっくり〜」と言ったか言わないか、そんな様子で私一人を置いてオフィスの方へ戻っていってしまった。
ガイドのおばちゃんこそ愛想がなかったけれど、蒸留所自体はとても興味深かった。やはりアイラ補正も入っているのだろうか。
(なにより、このきれいな砂浜と青い海、そしてウェアハウスの壁面に書かれた蒸留所名!これを生で見たときは感動した)
#Bunnahabhain