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042. アルタベーン / Allt-a-Bhainne

2012.05.05

 ダフタウン蒸留所を駆け足で見学した後は、そのまま一気にアルタベーン蒸留所を目指します。

 地図では分かりづらいかもしれないですが、ダフタウンからはB9009道をひたすらに南下した位置にあります。大体5マイルくらい。この日は移動日で大荷物を抱えてということもあって、完全にハイキング気分で歩き始めます。


(「牧歌的」としか形容し得ないような風景が続きます)

 以前にノックドゥーまでの9マイルを歩いた経験があったので、如何に荷物を背負った状態とはいえ、5マイルくらいなら大丈夫だろう、と呑気なハイキング行脚。天気もいいし、景色もいい。お水もたっぷりあるし、クッキーもある。しばらくのほほんと歩き続けたのですが、スコットランドの天気はホントに気まぐれなのが恐ろしいところ。
 さっと雲に覆われたかと思ったら、あっという間に降ってきたのが、なんと雨ではなく雹!それもかなり大粒で、びしばし音を立てながらあたるのが痛いくらい。
 まぁ、下手に雨に降られてずぶ濡れになるよりかは、雹になってくれた方があまり濡れなくてすむので、そういう面ではよかったが、気温もぐっと下がって一気にハイキング気分が雲散。お遍路感が強くなります。

 まぁそんなこんなで2時間ほども歩いたでしょうか。ようやくアルタベーンに到着です。
 余談ですが、こちらの道程もダフタウンからB9009沿いに一本道なので、お暇な方はグーグルストリートビューでダフタウン→アルタベーンのルートを見てみるのもいいかもしれません。景色もいいのでおすすめです。


(知らなければ、およそ蒸留所とは思えない外観)


(シーバス(ペルノ・リカール)の看板が立っている蒸留所正面から)

 早速探索開始。山の斜面に建てられている蒸留所で、建物の外観もさることながら、敷地内もぜんぜん工場っぽくない。かなりオープンな印象だった。

 とりあえず事務所に声をかけようかなーと向かうも、ドアは固く閉じられている。チャイムのようなボタンがあったので思い切って押してみるも、一切リアクション無し。
 時刻は13時過ぎといったところだっただろうか。こちらではお昼休憩は1時間くらいがっつり取って、しかもみんなが一斉に休憩するもんだから、お昼の時間は蒸留所が無人になることも珍しくない。ちょうどお昼の時間帯なので、どっかいっちゃったのかなー、と周りをうろちょろすることに。
 しかし、この蒸留所。今までの蒸留所とは全然違って、どこになにがあるのかホントに分からない。


(裏にトラックが止まっていたけどやはり無人。こちらはポットエイルの排出口)


(パゴダ屋根というにはあんまりなデザインの三角の塔。ちなみにその塔が生えている建物はスチルハウスでした)

 スチルハウスは開いていたのでこっそり侵入。しかし、入ったのはボイラーなどがあるスチルの下にあるスペースだったよう。上を見ても、スチルなのは分かりますが、どんなスチルなのかは全く分からない。


(覗き込めどもよく分からない)


(細いネックが伸びているのは分かりますが、やはりよく分からない)

 なんとかして上のスチルルームに入れないかなー、と周りをうろついてみますが、そこに通ずると思われる扉はしっかりと鍵がかかっている。というか、これだけうろちょろして誰とも会わないとは、やはり時間帯は誰もいないのだろうか。
 さすがにここまで長い距離を歩いて、このまま帰るのは名残惜しい。しばらく、誰か帰ってこないかなー、とぼけーっと時間を潰しましたが、人が帰ってくる気配はなく、泣く泣く蒸留所を後にしました。

 帰りもあの距離を歩かねばならぬのか、これはさすがにキツい、など考え、遂にヒッチハイクを試してみようという思いに至るも、やはり実際に親指を立てるのは勇気がいるもの。
 一台見送り、二台見送りしてもじもじと親指を立てられないまま路肩に佇んで三台目も見送ろうとしたところ、あっちの方から止まってくれて「アーユーオーケー?」と声をかけてくれる。ダフタウンまで乗せてくれることになって、またもスコティッシュの親切に甘えることに。彼の奥さんはアベラワーで働いているらしく「今度行くよ!」と言ったら「何曜日の何時のツアーだ?もう予約はしたのか?」と色々話せて楽しかった。無事ダフタウンまで戻ってきて、今夜はそこから1時間ほど離れた小さな村の宿に一泊。

#Allt-a-Bhainne

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