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036. バルヴェニー、そしてキニンヴィー / Balvenie, and Kininvie

2012.05.04

 グレンフィディックを出た私は、もうこの際インフォメーションセンターに行かないでいいや、とそのまま蒸留所巡りを開始。バルヴェニー蒸留所へ向かいます。

 グレンフィディックからは目と鼻の先にある蒸留所なので、迷うわけも無いわ、と思っていたのですが、意外とというか曲がる場所が分からずに、一回鉄道駅の方まで戻ってしまう。が、その辺りでこんな看板を見つける。


(なにやら倉庫っぽい壁面に飾ってあった)

 しばらくその辺りをふらふらするも、どうやらこの辺りは蒸留所の裏手のようで、こっちからは入れそうも無い。またグレンフィディックの方まで戻る、その途中の脇道から入れば、無事入り口の方に出ることが出来ます。

 ちょっとした林道のようになった小径を抜けると、目の前に広がるのはこちらの風景。


(屋根に浮かぶ文字がとってもカッコいい)

 わくわくしながら近づいて行きます。


(キルンの下には使用済みと思しき炭(?)が)

 「ビジターセンターはこちら→」の矢印に沿って近づいて行くのですが、わくわくする反面、少しく不安も芽生えてまいります。
 というのもこちらの蒸留所。ウィークデイは午前午後各1回ずつツアーを行っているのですが、この日の金曜日は午前の1回しかやっていない。しかも、本来ならツアー自体が完全に予約制で、つまり私が訪れた金曜の午後っていうのは、そもそもツアーやっていないし、無論予約なんてものもしていないのである。当然この時間は客と思しき人物の姿など無く、人気の無い所内をふらついてビジターセンターのような場所を発見。覗き込みます。
 
 なにやらでかいテーブルの上にはグラスがたくさん並んでいて、真っ当なツアーに参加しておけば、おそらくはこちらで試飲となるのだろうな、という感じの部屋。しかし、中には誰もおらず、ドアをノックしても反応が無い。
 困ったなーと思いつつ、その建物をぐるっとまわってみると、ちょうどその裏側らへんで自転車を跨いだおっちゃんが、車に乗ったおっちゃんと談笑しているところに出くわす。
 とりあえず声をかけるも、どうやらお二人はもう帰るところだった様子。私が話しかけると「じゃあな」みたいな感じで手を振って、車に乗ったおっちゃんは行ってしまった。
 残された自転車のおっちゃんの方に「見学をしたいんだ」と申し込んでみるも「だったらウェブで予約して。そしたらツアーできるから」と言われてしまう。その通りなのだが、前述の通り今日は金曜日。土日はツアーも休みなので、次にツアーが履行されるのは月曜なのだけれど、私は月曜までダフタウンにいる予定ではなかったのだ。つまり、どの道ツアーには参加する時間がないの。そんなことを、もごもごと言っていると、そんな私の様子を哀れんだのか「スチルだけだぞ」と言って案内してくれる。
 一度は跨がっていた自転車を壁にもたれさせて止め、私を連れてスチルハウスへ。全く言ってみるものである。

 そして、これがそのスチルハウスの中身だ!


(こちらは再留釜。"バルヴェニーボール"と呼ばれるボール型のスチルが6基)

 スチルが見れただけでも儲けもんだと思って、喜色満面で写真をぱしゃぱしゃ撮っていると「せっかくだから撮ってやるぞ」とスチルと一緒のショットまで撮ってもらった。
 こちらに並ぶのは再留釜とのことだったから「初留釜は?」と訊ねると「あっちの部屋にあるよ」と。「よかったら見せて欲しいなぁ。。」とおねだりして、見せてもらえることに。おっちゃんはちょっと困ったように肩をすくめて「でも写真はダメだぞ」と私に告げると、階段を下りて向かいにある部屋の中へ案内してくれた。

 初留釜の並ぶスチルハウスはとにかく薄暗く狭い印象だった。
 こちらもやはり同じボール型のスチルが5基。おっちゃんが壁面を這うパイプを指でなぞりながら、なにやら私に解説してくれたのだが、周りの騒々しさと英語能力の低さのせいで、せっかくの解説も理解できない。私が唯一分かったのは、最後におっちゃんが「ユニークなシステムだろ?」と私に言ってみせたことだけで、なにをもってして"ユニーク"と言ったのか未だに分からないで、もっと分かるまで食いついて聞けばよかった。。と今でも後悔しております。おそらくは間接的なスチームを使った蒸留方法なんかのことを言っていたのではないか、と想像できますが。。

 そんなこんなで、スチルハウスだけとは言え見学が出来て得した気分。なんかおっちゃんとも仲良くなって「俺にもお前くらいの息子がいるよ」みたいな世間話をしたりした。

 ホントならここでキニンヴィ蒸留所のことを聞けばよかったのだが、なんたることかすっかり失念していて、翌土曜日に訪れた際はしっかり門が閉じられていて入れない。
 バルヴェニーの敷地の奥にある蒸留所なので、他に入り口が無いか探すもどうにも見つけられず、無念、キニンヴィを見学することは出来ませんでした。

 余談ですが、こちらのバルヴェニーは今でもフロアモルティングを行っている数少ない蒸留所の一つ。後に知り合った人曰く「バルヴェニーのツアーは楽しかったよ!フロアモルティングも体験できたし、過程を全部見せてくれた。試飲も6種類とかあったし!ただ高いけどね!」とのことだったので、もし、行く機会がございましたら、ちゃんとしたツアーに参加することをお勧めいたします。私もフロアモルティングしたかったな。。

#Balvenie, Kininvie

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