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020. ハイランドパーク / Highland Park

2012.04.25

 スキャパを後にして、向かうは遂にスコットランド最北端、北の巨人・ハイランドパーク蒸留所です。ハイランドパークは町外れの小高い丘の上にあり、スキャパからの道程は、距離の割にドえげつない勾配の坂道を登ったりしなくてはならず、けっこうきつかった。


(その二つのパゴダ屋根は、かなり遠くからでも確認することが出来た)


(ハイランドパーク・カー!)

 町外れの道路を挟んで、右手にずらっとウェアハウスが並び、左手にキルンそびえ立つ蒸留所施設が集まっていて、この辺一帯が、まるでひとつの"ハイランドパーク村"といった様相を呈している。この蒸留所の所有社はエドリントングループ。ディアジオよりも所有数は少ないものの、この規模の大きさをみると、こことマッカランを持っているだけで充分なんじゃないか、という思いさえ抱きました。


(カッコいい門)

 門をくぐると、右手側にキルンやモルティングルーム、ビジターセンターなどがあり、左手にはスチルハウスが。


(左手を見ると、屋外コンデンサーがお出迎え)

 ここのビジターセンターは、とても高級感のあるクールな空間。ツアーの時間まで30分ほどあるということだったので、ショップを眺めることにします。ボトルはもとより、そのグッズの多さにびっくり!


(マグカップやトレンチ、水差しやメジャーカップ)


(防水ジャケットや折り畳み傘、ポーチやバッグまで!)


(なぜか日本語のボトルが一本あった。バイキングが日本にどうのこうのって説明がなされていたけど読み切れず。。)


(ちなみに、ショップ内で一番高かったのはこちらのボトル)

 そんなこんなでショップ巡りも堪能し、ようやくツアーの時間。いままでのツアーでは珍しく、ここでのガイドは若い男性スタッフだった。そして、この回のツアーは私ひとり。。

 最初にシアターの様な部屋でプロモーションビデオを眺めて、それから実際に稼働している蒸留所内へ。

 ここの見物はなんと言ってもフロアモルティングが行われているモルティングルーム。今なおフロアモルティングを行っている6つの蒸留所のうちの一つで、是非その現場は見ておきたかったので、わくわくしながら扉をくぐります。
 ドアを開けると、香ばしいような大麦の香りがそこここに溢れている。マッシュタンの中で糖化させている状態の麦の甘いむせ返る様なこもった匂いと違い、からっとした香ばしい香りです。
 天井は低く、身長の高いガイドのお兄ちゃんは気持ち前屈みになるほど。幅の狭さに比して奥行きはあり、うなぎの寝床の様な細長い石造りの建物で、複数ある窓からうっすらと光が差し込んでおりました。敷き詰められている大麦を手に取ってみると、しっとりと水を含んだ感触が伝わってきました。
 残念ながら写真はNGと言われてしまったけど、見れてよかった。

 その後、キルンの中に入れたり、大規模なマッシュタン&ウォッシュバック、そしてスチルを見学したのだが、如何せんこのお兄ちゃんがあまり親切ではなく、とても早口な上にオーカディアン訛りが強いのだろうか、私の英語力の拙さをさっ引いたとしても、全くなに言っているか分からない。
 見所はたくさんあって、蒸留所としてはとても興味深いし、好きなモルトの一つでもあるのだが、お兄ちゃんの不親切になんとなくがっかり。

 試飲も通常の12年。さくさく終えて表を怒られない程度にふらふら。


(ガラス越しのスチル)


(とても分かりにくいが、横向きにネックが4本伸びている。手前2基が再留で奥の2基が初留)

 ふらふらとキルンの方へも近づいていきます。


(ちょうど炊き込んでいるところで、煙がもうもうと)

 近づいていくと、さっきのツアーの時にはいなかったひげもじゃでガタイのいいおっちゃんが、まさしくピートを放り込んでいる最中。私に気付くと「おぅ」みたいな感じで声をかけてくれたので「見せてもらっていい?」とお願いして、ついでに写真も撮らせていただく。


(がんがんに炊き込まれるピート。隣の黒板には「何時から何時まで」みたいなスケジュールが手書きで書かれている)


(キルン棟の片隅にうずたかく積まれているピートの山)

 オークニーのピートは、アイラやスカイのピートとは違ってあまり固まらないんだそう。というのも、寒すぎて木が育たないので、これらのピートは全てヘザーなどの植物が堆積してできたものだからだそうだ。これがハイランドパーク独特のアロマにつながっていくと考えると、土地の力というものを感じざるを得ない。

 ツアーはイマイチだったけど、最後はおっちゃんに優しくしてもらえたし、やはり面白い蒸留所だった。

(ずらーっと並ぶウェアハウス群)

#Highland Park

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