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[番外編 台湾蒸留所巡りの旅]その1. 南投酒廠

2013.04.02

 さて。本編ではスカイ島の大自然の中、タリスカー蒸留所への期待で胸をふくらませている真っ最中ですが、ここで番外編として台湾の蒸留所をご紹介。つい先日、台湾に行って蒸留所を見学してきたので、なるべく情報がフレッシュなうちに書いておこうというわけです。(スコットランドも、もう1年前になるから、早いうちに完結させないとな…)

 台湾の蒸留所というと、みなさんカバラン蒸留所のことがすぐに頭に浮かぶかとは存じますが、実は台湾にはもう一つ蒸留所があるのです。それが、2010年に蒸留を開始したばかりの南投酒廠です。

 台北から南へ車で2時間ちょっと。台中からさらに少し南へ下った南投という場所にあります。こちらの南投酒廠さんはもともと政府に酔って1977年に建てられた酒造さん。地酒やワイン、ブランデーの他、ウイスキーのボトリングなどを行っていた酒造さんなのですが、2008年にカバラン蒸留所が大成功。その成功を見て、こちらでもウイスキーを蒸留するようになったんだそうです。

(ちなみに今回のツアーは全て台湾語によるもの。内容の説明などは全て台湾人の友人が英語で私に通訳してくれたものなので、実際の内容と異なるところがあるかもしれませんが、どうぞご了承ください)
 
(看板に「Nantou Winery」とあるところからも、まだ蒸留所としては認知されていないことがうかがえる)


(所内には大きな樽のオブジェもあるが、やはりワイナリー的立場からのオブジェだろう)


(館内には、こちらの酒製品が展示されている部屋もあった)


(ツアーがスタート。まずは酒造の歴史などを解説してくれます)


(説明が終わるとグラスが配られ、まずはニューポットの試飲から!なんとやかんから注がれますw甘みもあるがそれよりも渋い、草のような印象)


(表にでてモルトビン。でかいのが3基あります)


(建物の上には形ばかりのパゴダ屋根も。写真右手にはドラフの排出口がある)


(1999年に発生した大地震でこちらの酒造も被害を受けたんだそう。樽が落下し辺りは火の海に。こちらの木は、その災害をくぐり抜けた唯一の木なんだとか)


(モルトミルはドイツ製)


(モルトが砕かれていきます)


(そしてマッシュタンへ)


(ぴっかぴかのステンレス製です)


(マッシュタンの内部)


(お隣にあったのは2槽のアンダーバック。あの規模のマッシュタンに対してこの規模のアンダーバックとはこれ如何に。しかも2槽も。どういうことなんだろ)


(ウォッシュバックは全8槽)


(すべての蓋には番号がふられていた)


(そしてスチルハウスへ)


(計4基のスチルはどれもフォーサイス社製)


(特筆すべきはこちらのスチル。ネックとラインアームの接続が、いわゆるT字シェイプ形)


(やたら年季の入ったスピリットセーフ)


(そしてウェアハウスへ。面白かったのが、同じ場所でワインやブランデーの熟成も行われているということ。さらに、亜熱帯の台湾では経年による樽内の原酒の蒸発、いわゆるエンジェルズシェアが年間8%もあるとのこと。スコットランドが2%ほどなので、これはかなりの蒸発量。温かいと熟成が早く進むという話もあるが、これでは長期熟成も大変そうだ)


(殊更面白かったのがこちらの樽。なんとライチ酒を寝かせた樽でフィニッシュをかけているところだそう。様々な種類の酒を取り扱っている酒造さんだからこそ出来る面白い試み)


(ウェアハウスはあそこだけなのかと思ったら、きちんとウイスキー専用のウェアハウスもあった。バーボン樽とシェリー樽は別々の部屋にまとめられていた)


(ラック式の足場をおっちゃんがひょいひょいっとわたって原酒を取ってきてくれる)


(というわけで試飲)


(シェリーカスクはどうも渋みやえぐみのほうが出てしまっていてイマイチな印象。バーボンカスクの方がフルーツフレーバーなんかもあって好みの味わいだった)

 というわけで、台湾第2の蒸留所である南投酒廠をご紹介。最後には蒸留所マネージャーまで紹介してもらって、お話も出来た。今年の夏にはシングルモルトのボトリングもあるというようなことも言っていた(気がする)ので、今後の動向を注目したいです。

#南投酒廠(台湾)

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