2012.04.28.
一度モントローズの町まで戻って、そこからはバスで西へ。ブレチンという町を目指します。
ブレチンは活気のある小さな町。かつてはノースポートという蒸留所もこの町にありましたが、83年に閉鎖。その後取り壊されて、現在では跡形もありません。
というわけで、この町に残るもう一つの蒸留所、グレンカダムへ。
町の中心から北へ向かい、静かな公園のような墓地を通り過ぎた先に、ひっそりと建っています。
(本当に「ひっそりと」という形容詞がぴったりな雰囲気の蒸留所)
こちらもノービジターの蒸留所なので、見学は出来ないだろうなー、と思いつつもとりあえずはオフィスへ。
(蒸留所の風景が描かれた看板がいい感じ)
が、オフィスの扉は固く閉ざされ、ノックをしてもまるで反応がない。ちょうどお昼時だし、ご飯でも食べにいってるのかなー?それとも、今日は土曜だし休みかなーと思いつつ、所内をふらふら。
(大きな貯水池があった)
しばらくふらふらしていると、スチルハウスを発見!ガレージの様なシャッターが半分くらい開いていて、中で作業をしている人が見えたので、臆しつつも近づいていき、入り口で「ハロー?」と声をかけてみる。
お兄ちゃんがこっちを振り向いたと同時に「Can I see your distillery ?」と訊ねると「好きにしな」みたいな感じで、すぐ作業に戻る。
愛想は悪かったけれど「オーケー」と言ってくれたので、喜び勇んで中に入っていきます。
(お兄ちゃんがせわしなく作業する中、邪魔にならないように気をつけて撮影)
スチルは2基。
(下から初留釜を見上げる)
ここのスチルはとっても小さい!そして、なによりスチルハウスが狭い!!そのせいか、下手したらスコットランド最小のエドラダワーよりも小さいんじゃないか、って感じてしまうほど。
(上に登り横から撮ろうとするも天井が低くてこんな感じでしか撮れない。こんなにスチルに近づいたのは初めて)
とにかく窮屈なスチルハウス。興奮して、お兄ちゃんに「とても小さいスチルだね」って話しかけたのだが「イェー」かなんか相槌を打つだけで、本当に無愛想。しかし、一切悪い気はしなかった。むしろ仕事中にいきなり現れた東洋人の無茶を聞いてくれて、本当にありがたいくらいだった。
(お兄ちゃんが駆け上っている階段の先にあるのがスピリットセーフ)
私が見学している間も、お兄ちゃんはスチルの火加減(?)を調節したかと思ったら、スピリットセーフのもとへ駆け寄り、切り替えなんかをして、またスチルの様子をうかがったりと、とても忙しそうだった。ちょうどそういうタイミングだったのかもしれない。コンピュータなどは見当たらず、完全に職人さんの技で蒸留作業を行っているようだった。
たいそうに満足して「サンキュー!」と声をかけるも、お兄ちゃんは「ユアウェルカム!」と声を張り上げるように言うと、片手を上げながら作業を進めている。ここまでいくと、無愛想とかでは無くてクールで粋な感じさえした。
(門にもしっかりロゴが)
次なる目的地へのバスを待つ間、パブで一杯。せっかくなのでグレンカダムのウイスキーをやろうと思って「グレンカダムってある?」と聞くも、発音が悪いのか、お店の女のコは分からん顔をしている。なんとか「ウイスキー」って単語だけは伝わったのか、ホワイトマッカイを出して「これ?」と確認するので「ちゃうちゃう!グレンカダム!モルトウイスキー・オブ・ディス・タウン!」とか言ったのだが、結局伝わらずにホワイトマッカイを飲んでいた。もしかしたらこの店にはボトルが無かったのかもしれん、と思いつつ改めてカウンターの中を見渡すと、しっかり鎮座ましましているのを発見してしまい、トホホ。。さすがに二杯飲む時間はなかったので、ここでのグレンカダムは諦めて店を出ました。
(ブレチンの街並。いい町だった)
#Glencadam