2017.5.21
前日、宿に到着後即気絶をして、次に意識を取り戻したのが8時ごろ。たっぷり睡眠をとって、この日朝一で向かうはインヴァネスから電車で20分のミュア・オブ・オードという町にある蒸留所、グレンオードです。
この日の目的地は2箇所で、宿の移動なども無い。本来ならそんなに急ぐ必要なんかも無い、比較的緩めのスケジュールのはずなのですが、この日は日曜日。公共交通機関のみでの移動を余儀なくされている私にとって、バス電車の本数が極端に少なくなる週末に油断は禁物なのです。
というわけで朝一の電車に乗り、10時ごろにはミュア・オブ・オードに到着。そこから歩いて15分ほどでグレンオードに到着します。
朝一のツアーは11時から。ビジターセンター自体は10時からあいていると思ったのですが、どうやらビジターセンター自体のオープンも11時からだったようで、オープンまで蒸留所の周りをふらふら。周りには私と同じようにオープン待ちをしている方々が複数組いらっしゃいました。
(くそぉ。日曜日だけ11時オープンなのか)
(蒸留所の入り口にはモルティングスもある。60年代まではいわゆるサラディン式のモルティング設備を有していた。今でも、タリスカーを始めディアジオ系列のモルトを製麦している)
(駐車場の前並ぶウェアハウス。黒色の壁面がかっこいい)
(ディアジオ社所有の蒸留所らしく、巨大な窓からは6基のスチル全ての様子を伺うことができる)
ほどなく、オープンの時間が来て建物の中に入っていきます。
(充実のショップ。蒸留所限定のような特別なボトルはないが、基本的にシングルトン・オブ・グレンオードはアジア向け。そう考えると、シングルトン自体が特別なボトルということができるかもしれない)
(ツアーの受付を済ませ、ショップの隣にあるエキシビジョンエリアを眺めながらツアー開始まで待ちます。このエキシビジョンも結構しっかりしているのでオススメです)
ツアー開始は結局11時半だったよう。時間になりスタートしますが、ディアジオ系の蒸留所は施設内の写真撮影が禁止。仕方ないのでなるべくガイドさんの解説を聞き逃さないように集中していきます。
(かっこいいパゴダ屋根とタンク)
(今回のツアーで新しい発見だったのが、左右の建物をつなぐパイプ。ガイドさん曰く「シングルモルトっていうのは一つの蒸留所で作られるウイスキーのこと。あのパイプが繋がってなかったら、ここは一つの設備と言えなくなっちゃう。あそこが繋がってることで、ここはシングルモルトを作ることができる。すげー重要なパイプなんだ」と。なるほど。しかし「シングルモルト」ってどこまで厳密に定義される概念なんだろうか。。)
このガイドさんの解説は、今まで真剣に考えたことがなかった「シングルモルトとは」みたいな、超基本的な疑問を私に与えた。それまでは「んなもん、1箇所の蒸留所で作られたモルトのみを使用してたらそれがシングルモルトじゃ」という解説で納得していたのだが、例えばクライヌリッシューブローラのように建物が別ならブランド名も変わる。グレンロッシーーマノックモアの場合も建物こそ別だけれど、これらの建物は完全に同敷地内に建てられている。そうなると、スチルハウスを2つ持っているグレンフィディックのような大規模蒸留所はどうなる?マッカランが新設した新蒸留所で作られたモルトは「マッカラン」と呼べる?どこまでを「1箇所の蒸留所」と言っていいのか、明確なルールでもあるのだろうか。。
前回の訪問では、全く意識しなかった疑問が新しく生まれてくる。蒸留所巡りってホントにいいもんですね。みたいな気分で、ツアーは終了。次の電車の時間が迫っていたため、最後の試飲は「スランジバー」と共にくいっと飲み干し「さんきゅー。でも時間ないんだ!」と断って、さっさと蒸留所を後にします。
#Glen Ord