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第3回SBTボトルB:ブルイックラディ 1966-2001 35年 ハートブラザーズ

第3回SBTボトルB、テイスティング時には知りませんでしたが、出題者はりゅうたに@射命丸さんでした。

ブルイックラディ BRUICHLADDICH 1966-2001 35yo HART BROTHERS 44.5%

(完全なブラインドテイスティングで評価しています。)
 
・香り
強い発香でしかも陶酔感あり。
熟したオレンジやオレンジリキュール、プラム、アプリコット、紅茶、蜂蜜、奥にうっすらタールっぽいピート、少し熟した桃、ヴァニラ、クッキー、しっかりウッディネスと樹液、少しヒノキっぽさを伴う、メンソール、ショウガっぽい麦感、最近のドイツ系ボトラーズの長熟のニュアンスを感じる。

・味わい
やわらかめの口当たりから徐々にスパイシーな刺激と味の広がりがある。
アプリコットティー、オレンジ、ナッツとオイルが強め、ほど良く麦の主張、オークのニュアンスは強めに感じるが渋味はそれほど強くない、若干だが生木のエグ味あり。べっこう飴のような甘味はしっかりある。ミディアム~フルボディ。余韻はアプリコットティーとウッディネスが長く残る。
 
・総評
香りは華やかで陶酔感があり、飲むとフルーツとウッディネスだけでなく意外と素朴な麦感も感じられる。

全体としては長熟と思われるウッディネスと熟成感のあるフルーツ感が印象に残る。エージェンシーなど最近のドイツ系のボトラーのリリースに多い華やかで陶酔感のある香りだが、飲むと麦も残っており線も太め。
ウッディネスの出方はグレンキースやストラスアイラ、フルーツ感も併せて最近のリリースで考えると、ウイスキーフェアやMoSなどドイツのボトラーの1970年代前半のグレンキースが第一に予想される。
ウッディネスから次に予想されるのはストラスアイラ、そしてフルーツの出方や熟成感は1972あたりのキャパドニックとグレングラントを考える。

【Good/Very Good】

予想蒸留所:①グレンキース、②ストラスアイラ、③グレングラント
蒸留年:1970年
熟成年数:40年
度数:50%
点数:86
カスクタイプ:バーボンホグスヘッド
妥当な価格:20000円

このボトルに対するSBTでの評価、正解発表はこちら
⇒  ボトルB評価  ボトルB正解発表

正解は60年代のブルイックラディでした。
最近のいろいろ作りこんだものとは全く異なり、昔のブルイックラディにはクラシカル+フルーティで美味しいボトルが多いと思います。昔と現在のスタイルが最も異なる蒸留所のひとつだと思います。
私も出題者のりゅうたにさんほどではないにしても、60~70年代のブルイックラディには好感を持っています。ただ、特有の個性というものは感じたことがなく、正統派の美味しいモルトだなぁと思って飲んでいることがほとんどです。

今回のボトルに関しても、熟したフルーツや強めのウッディネスなど、樽と長期熟成によって出てきたと思われる要素を強く感じ、原酒や蒸留所の個性として強く感じられるものは少ないように思いました。特にフルーツ感に関してはエージェンシーなど最近のドイツ系ボトラーによく感じるものに近いと感じ、上記のような予想としました。
熟成などに関してはそれなりの予想でしたが、蒸留所に関しては全くかすりもしませんでしたね。

この時代のブルイックラディのボトル達に関して、どれも美味しいと感じているということは、何かしら共通の好ましい要素がある可能性は高く、これからはもっと意識して飲んでいこうと思いました。

ご自身の愛するボトルの出題に感謝です。
 

#ブルイックラディ (BRUICHLADDICH) #SBT

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