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謹賀新年

2023年、あけましておめでとうございます。

昨年は新型コロナの流行り具合とお店の混み具合を伺いつつ少し飲みや食事に出たりもできましたが、コロナと無関係に仕事が忙しくなっているということもあり、なかなか元通りでかけることができない状況でした。
外での飲食やそこでお会いする人達とお話しするのが大きな人生の楽しみである私にとって、しんどい日々はまだしばらく続きそうです。

ウイスキーガロア誌のテイスティングや座談会、品評会関連のお仕事はお任せいただいており、プロ意識を持って変わらず真剣に取り組んでいます。
ジャパニーズクラフトに対して採点が辛いとよく言われますが、ブームに水を差すつもりは全くなく、創刊時に設定したジャパニーズの標準点をベースにスコッチ同様自分の感覚に忠実に採点しているだけなのです。
ジャパニーズクラフトも美味しくいただいてますし楽しさもありますが、正直言って熟成3年程度のシングルカスクやスモールバッチを大手が出してくるような熟成した原酒を巧みにブレンドしたものと同じ点数帯で採点することに無理があると感じています。

世界的な原酒不足で若いものが増えたせいか、「ウイスキーは時間が作るお酒である」という言葉を昔ほど聞かなくなったように思います。
原酒の出来や個性も重要であることは言うまでもありませんし、良質な原酒を作るために生産者さん達がご苦労されていることも重々承知しておりますが、やはりその原酒が素晴らしいものへと昇華していくためには奇をてらわず長い時間をかけることが必要だと思います。それは先入観なくブラインドでテイスティングすることを繰り返すことで得られた持論でもあります。

「熟成年数の割に美味しい」とか「面白い」というのは、私の中では加点要素ではあっても普通に熟成して普通に美味しいものに勝るものではありません。今の若々しいものを高評価してしまうと、将来本格的に熟成したものに整合性の取れる点数がつけられなくなるのではないかという懸念もあります。
堅物で融通が効かない奴と思われそうですが、ジャパニーズウイスキーのポテンシャルとその未来を信じているからこそ、忖度を要さない立場から引き続きこの姿勢で評価させていただくつもりです。

さて、今年の初モルトですが、ファーストエディションのラフロイグ2001にしました。
リリース当時も話題になりましたが、シェリーカスクのラフロイグとして非常に優れた仕上がりで、シェリー感とラフロイグらしい海のニュアンスを伴うピート感が見事にマッチしています。ボトリングから数年経って一体感も増してきたように思いますし、近年のものでも絶対作れない香味でないのもポイント高いですね!

あと、このブログに関してです。
これまで長年に渡り、詳細なスペックとできるだけ細かなテイスティングコメント・総評を記すようにしてましたし、それが私の持ち味だと認識していますが、現状だと時間的に記事をアップするハードルがかなり高くなってしまいなかなか更新できません。こんな更新頻度でもまめにチェックして下さる愛好家の方もいらっしゃるようですし、まずは試験的にですが、余裕を持って飲めた時を除いてしばらくは簡潔に本質を伝えるようなコメントを残してみようと思います。自分にとっても新しい試みで、良い経験になるかもしれません。

今年も、仕事としては真剣に、趣味としては楽しくウイスキーと付き合って行きたいと思いますので、宜しくお願い致します。

愛好家の皆さんとたくさんお話ができる1年になりますように。

T.Matsuki

#ラフロイグ (LAPHROAIG)

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