MENU

ニューリリース:スプリングバンク 1999-2016 16年 オフィシャル “ローカルバーレイ”

期待の上を行く仕上がりで嬉しくなりました。

 SPRINGBANK 1999-2016 16yo OB Local Barley

スプリングバンク SPRINGBANK 1999-2016 16yo OB "Local Barley" 54.3%
one of 9000 bottles

香りは華やか、オレンジ、フレッシュさもあるが滋味深く強い麦感、白い花、ヘタ付きの青いイチゴ、淡いミネラルと磯っぽさ、奥から淡いピートの主張もある。
飲むと度数の割にキツさのない口当たりから広がる、シトラス、凝縮感があり舌に染み込むような旨味のある麦感、若干の蜂蜜を感じる優しい甘味と酸味、強い塩気、淡くタールも感じるピートの主張あり、クリーンで心地良い余韻。

【Very Good】

復刻ラベルでニューリリースされた、スプリングバンク1999、16年のローカルバーレイです。
スプリングバンクが1999年からローカルバーレイを仕込んでいるのは、以前にリリースがあったことから知っていましたし、ちょうどタイミングよくソサエティ向けに恐らく最初にボトリングされたローカルバーレイ1999を家で開けたところでした。
今まではシングルカスクのみのリリースだったと思いますが、今回満を持してヴァッティングで9000本リリースされました。
海外では販売されており、日本にもしばらくしたら正規で数百本入ってくるようです。

香りはスプリングバンクらしい華やかなもので、複数のフレッシュなフルーツやフローラルがあり、フレッシュですが未熟感のない滋味深い麦感が感じられました。
また、らしいミネラル感もありましたが、磯っぽいニュアンスやピートはこのヴィンテージにしては少なめで、散見されるロングロウに近いタイプとは異なる雰囲気でした。

飲んでみると度数を感じない口当たりで、柑橘系のフルーツと麦の旨味が濃厚に感じられました。特にローカルバーレイだからなのかはわかりませんが、ニューリリースの口開け数日にしてはずいぶん舌に馴染むテクスチャーで、旨味が染み込んでくるような麦感でした。
らしいブリニーさもしっかりと感じられ、また、香り同様にピートは予想よりも穏やかなものでした。
甘味酸味のバランスもよく、樽感もそれほどなく雑味の少ないクリーンな仕上がりだったのが特に印象的でした。
また、開栓直後からこれだけ開いているスプリングバンクも珍しいように思いました。

旨味が濃いのに飲み心地が非常に良いためどんどん杯が進むタイプで、素直に非常に美味しい90年代のスプリングバンクです。
満を持して復刻ラベルで出してきたのにも納得できる、明るい未来を感じてワクワクしてしまうような素
晴らしいリリースだと思います。

前述したようにローカルバーレイ1999のソサエティ向け11年を家で飲んでいるところで今回のニューリリースを知り、飲むのを楽しみにしていました。
11年のほうは美味しいもののわりと樽感(Recharred Sherry Butt)が強く、荒々しい原酒の個性を樽で強引にまとめ上げたようなタイプだったので、今回もそういうものを予想していたのですが、見事に良い意味で裏切られました。
具体的に書くと、強い樽感や近年のスプリングバンクに多い雑味があり、ピーティで、分厚いボディと荒々しい麦感にスポットが当てられたタイプを想像していたのですが、麦の旨味は魅力の中心ではあるのですがほかの要素も豊富で、なにより近年バンクとしてはかなりクリーンでバランスのとれた飲み心地の良いモルトでした。
ラベルに惑わされているのではないかと自分を疑って何度も飲みましたが、やはりニューリリースとして文句なしの美味しさで、本当にいくらでも飲めてしまいます。

11年は今回のようなヴァッティングの良いモルトを作るなかで出てきた特徴的な樽で、樽感が強く早目に仕上がったのでシングルカスクでリリースしたのではないかと思いました。もしかしたら似た樽が今回のボトルにも少量ヴァッティングされているのかもしれません。
なお、こちらのほうは近々紹介記事を掲載予定です。

1999以降もローカルバーレイは仕込まれているはずですので、今後も定期的にヴィンテージ違いや長熟がでてくるのではないかと思います。
そちらも非常に楽しみです。

 

#スプリングバンク (SPRINGBANK)

この記事を書いた人