MENU

アードベッグ(07/7/22)

アードベッグ(070722)山崎白秋さんからいただいたテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2007.07.22 スタンドバーにて

 今月のお題は、「アードベッグ」である。

 アードベッグといえば、アイラモルトのなかでも特にピートを焚いたモルトであり、かつてはそのハードさを売りとしていた。
 しかしビッグネームでありながら、湿気っぽい、かび臭い、熟成感が無いなど仲間内では、それほどよい評価が得られていない蒸留所でもあった。

 今回5本のテイスティング後、ピートが効いていながら穏やかな利かせ方で、枯れたピートを楽しむことのできる大人のアイラという印象をもった。メンバーからは5本で100年はいっているなと高評価である。
 そんなことなので、アイラモルトと特定されたあともアードベッグの名前がでてこない。種明かしの後、みな10年以下の熟成ときいて驚くメンバーであった。

 蒸留再開した後のアードベッグはすばらしいと結論づけておこう。

 さて、今回の5本を紹介しよう。

*** [No.1] アードベッグ スティルヤング(オフィシャルボトル)ノンチル 1998-2006 56.2% ***

(香り) トップノートはハッカとミント。ドライでさっぱりとしているが、注意深くノージングすれば、かすかに熟成香を感じ取ることができる。
 軽いピート香、こなれたピート香である。その後キャラメル香がひろがり、さらにエステリーもあらわれる。

(味)  ドライ。ピートが強い、シャープなピートである。ヨード香が少なく、クセの強いものではない。

*** [No.2] アードベッグ べリーヤング(オフィシャルボトル)ノンチル 1998-2004 58.3% ***

(香り) ハッカ、ミントが香る、その後エステリー。かすかにピート、酸味が心地よい。

(味)  エステリーな含み香のあとすぐさまシャープなピートが現れる。にがみ、酸味、旨みが
三位一体となり、ピートだけで終わらないうまいモルトである。

*** [No.3] SMWS 33.60 アードベッグ 1998-2005 7年 58.0% ***

(香り) まず酸味が感じられる、追ってミント、ハッカなどハーブ系の香りに満たされる。その後ようやくピートが立ってくる。
 前面にピートが出ず、実にうまいピートの利かせ方だ。

(味)  酸味とピートのバランスが良い。ピートはヨード香が強くなく、じつにこなれている。全体的にはシャープな味わい。やや味の数が少ないか。

*** [No.4] SMWS 33.50 アードベッグ 1994-2004 10年 59.5% ***

(香り) まったりと深い香り。酸化した印象、やや若さを感じる。その後キャラメルのキャラクターとなる。軽いピート香。

(味)  ひねた香り、ただし邪魔になるほどのものではない。やや単調で若い印象。その後ピートで支配される。

*** [No.5] SMWS 33.56 アードベッグ 1998-2005 6年 59.6% ***

(香り) トップノートはミントとハッカ。奥に熟成を感じる。しばらくハーブを楽しんでいるとしだいにキャラメルが顔を出してくる。

(味)  まず酸味が広がるがピートが支配的となる。じつに旨みを感じさせるよくできたモルトである。

#Tasting Note

この記事を書いた人