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コニサーズクラブ(14/2/23)テーマ「白州」

白州(1402)山崎白秋さんのテイスティングノートを掲載します。

モルトの会、テイスティングノート

2014.2.23 スタンドバーにて

 今月のお題は、「白州」である。

スコットランド人は、スコッチモルトとジャパニーズモルトを区別出来ると言う。ならば日本人にスコッチモルトとジャパニーズモルトの区別は出来るのか。

答えはおそらく否であろう。今回のお題は、まさにそんな疑問に対する答えの裏づけを取るのにぴったりであった。

答えを聞いてしまえば、いくらでも白州の個性は見つける事ができる、がしかしブラインドテイスティングはそれを許さない。 既成概念がいっさい排除された中、純粋に答えを出していかなければならないのだ。

そうして導き出された答えはハイランドモルトであった。ピートを基調としているが、それは支配的なものでは無く、あくまでもスパイスである。 ミントあり、バーボン樽の個性あり、爽やかな酸味あり、もちろんエレガントに香るフルーツと多彩な個性である。 答えを出しにいくと真っ先に思い浮かぶのがブローラであろう、そして次にハイランドパーク。

最後の最後まで白州を感じる事は無かったことから、少なくとも造り手では無い我々にスコッチとジャパニーズの区別を付けるのは極めて難しい、それが結論である。

答えを聞いてみると思い当たる香り、味がいくつも出てくるのは、いかに目や耳で飲んでいるかの証でもある。

さて、そんなモルト5本を紹介しよう。

*** [No.1] ザ・オーナーズカスク 白州 cask no.DH40176 locate 16-07-06A-26 38/167 1988-2011 51% ***

(香り) トップノートはミント、香りは爽やか、かつエレガント。やや遅れてフルーツが広がってくる。軽いピートが見え隠れし香りと、程よい酸味がアクセントとなっている。

(味)  フルーツの味わいが広がる。ピートもしっかり感じるが支配的では無い。軽いキャラメル風味。

*** [No.2] 10th ウイスキーライブ アニバーサリーボトリング 白州 ホッグスヘッド cask no.BJ41521 56% ***

(香り) レモンの香り、爽やかな風が抜けていくようだ。しかし時に軽いタクアン香も。程よい酸味とキャラメル香、バーボン樽の個性。たいへん濃い香りである。

(味)  フルーティ、アンド、フルーティ、次から次へと果物の香りが出てくる。気持ちの良い酸味とピート。

*** [No.3] SMWS 120.3 白州 1988-2003 14年 56.4% ***

(香り) トップノートはミント、エレガントに香ってくる。軽いピートを感じた後、フルーツが香る。酸味が心地よい。

(味)  まずはフルーティ、その後、中程度のピート。酸味が程よくバランスする中、上質の渋みを感じる。

*** [No.4] ヘビーリーピーテッド モルト 白州 ホッグスヘッド cask no.3B40582 locate 17-14-3 1993-2008 59/235 59% ***

(香り) いがいがとした香り、ピート由来の物だろう。その後、甘いバニラの香りに包まれる。さらにキャラメルの香りが乗ってくるので、ボーボン樽で熟成されたモルトであろう。  さらにわずかにシェリー樽の個性も香り、シェリーでフィニッシュしたダブルマチュードと感じた。

(味)  わずかなシェリー樽の個性、程よい酸味。中程度のピート。樽由来の渋みが熟成を感じさせる。

*** [No.5] ザ・オーナーズカスク 白州 ホッグスヘッド cask no.2F41566 locate 8-31-7 93/185 1992-2008 61% ***

(香り) 明るい青空のようなフルーツ香、もちろん明るい酸味も。追って甘い香りが広がる。奥にはタクアンも見え隠れする。

(味)  まず酸味を感じる、たいへんフルーティ。ピートもしっかり利いている。味の数は少なく、やや若さを感じる。

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