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コニサーズクラブ(14/4/27)テーマ「グレンロセス」

グレンロセス(1404)山崎白秋さんのテイスティングノートを掲載します。

 

モルトの会、テイスティングノート

2014.4.27 スタンドバーにて

 今月のお題は、「グレンロセス」である。

 グレンロセスといえばシェリー樽熟成のイメージが強い蒸留所である。昨今シェリーカスクのモルトをリリースしている蒸留所は少なく無く、グレンロセスのハウススタイルを、シェリーと言う事自体難しくなってきている。

 そして今回の5本である、ラベルを見れば3本が流行を反映してかシェリーカスクだ。シェリーの個性を期待しつつ、このテイスティングノートを見られる読者もおられると思うが、期待する単語はほとんど出てはこない。

 その理由はファーストフィルでは無いところにありそうだ。3本のうち2本はリフィルであり、かなり枯れた樽を使っていると推測される。

 ファーストフィルを使えばシェリーの個性が強く出てしまい、こげたゴム、イオウなどマイナス評価をしてしまうところであるが、今回のモルトはそういったネガな部分は見当たらなかった。

 シェリーバットを長年使用してきたなかで、シェリーの良いところ知り尽くし、いい面だけを上手く使っている。テイスティングノートを書き終えて、そんな印象を持ったグレンロセスである。

 さて、今回の5本を紹介することにしよう。

*** [No.1] アデルフィ グレンロセス 1/176 1991-2013 21年 55.5% ***

(香り) まず梅の香りに和を感じる、次に爽やかな酸味。しだいに香りは重厚さを増すにつれてエステリーに変化してくる。おおむねフルーティ。

(味)  口に含めばひろがるフルーツの鮮やかさ、果物の数はたいへん多い。加水して楽しめばさらにフルーツの数は増えてくる。

*** [No.2] モルト・オブ・スコットランド グレンロセス バーボン・ホッグスヘッド 161/175 cask mos. 12065 1982-2012 53.2% ***

(香り) 軽いピートの香りで始まり、すぐさまフルーティに変化してくる。フルーツは熟したピーチである。ただしフルーツの数はそれほど多くない。

(味)  まずドライと感じる。しばらくすれば北国フルーツの含み香が広がる。アルコール感が強い。

*** [No.3] リキッド・サン グレンロセス リフィルバット 1/216 1988-2013 25年 47.2% ***

(香り) 軽いフルーツ香、基本的にドライに感じる。奥にはエステリーな香りがあるが、注意深くしないと見つからない。軽く砂糖水をイメージする香りも。

(味)  ライトな味わい、アルコール度数が低い。加水してもフルーティな味わいはバランスを崩す事は無い。水で割っても存在感の強いモルトである。

*** [No.4] シグナトリー グレンロセス リフィルシェリー 133/576 cask no.24378 1989-2012 55.3% ***

(香り) 香りが薄くドライであり、香りの立ちが遅い。わずかな南国フルーツ。時折、熟成由来の樽香を感じる。

(味)  やはりドライと感じる、そして心地よい苦味、樽の良さは感じるが味の数は多くは無い。アルコール感が強い。旨み成分が強く、じっくりと味わってみたくなる。時折塩っぽいと感じることもある。

*** [No.5] オールドアンドレア グレンロセス シェリーバット 1/154 1990-2011 21年 56.8% ***

(香り) まったりと深い香り。時折見せる軽いピート香。わずかにヌカの香りと軽いバニラ香。

(味)  フルーティ、フルーティ、たいへん色鮮やか。加水すればトースティな個性が出てくるが嫌味なものではない。シェリー樽として、たいへん良い熟成をしている。

#Connoisseurs Club

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