MENU

食物の放射線暫定規制値の意味

せっかくのおいしい和牛にセシウムを含む稲わらを食べせたために、放射線の暫定規制値を超えたため和牛全体の価格が下がって農家が困っている事態が残念なKWC企画世話人です。
 
昨日は、和牛を買って焼肉をしました。少しでも困っている農家やお肉屋さんの応援をしたかったからです。本当は2300ベクレルのセシウムが含まれていた牛肉が欲しかったのですが、4件回ったお肉屋さんのどこにも売っていませんでした。あのお肉が無駄になったのが残念です。
 
ただ、どこのお肉屋やさんでも黒毛和牛は安売りされていて、お肉屋さんも苦労されているのだなと感じます。
 
では、これらのお肉がどんな影響を人に与えるというのでしょうか?日本人は年間一人あたり約7キロの牛肉を消費します(過去最大では年間9キロまで増えていたのですが、ここ数年やや減っています)。
 
1キロあたり2300ベクレルのお肉を年間7キロ食べれば1年間で14100ベクレルの内部被曝をすることになります。ベクレルをおなじみのミリシーベルトに変換するには、この放射線が何からでているかが問題になりますが、今回はセシウム137とします。その変換係数は下記URLから持ってきます。
 
http://www.u-tokyo-rad.jp/data/bqsvhenkan2.pdf
 
これをみると大人では0.00013をかけるとベクレルからミリシーベルトに変換できるのがわかります。
 
 つまり、0.00013x141000=2.09ミリシーベルトとなります。幼児だとこの係数が実は小さくなり(つまり、子供よりおっちゃん、おばちゃんへ影響が大きいという核種なんです)、これの1/5ぐらいになります。
 
この年間2.09ミリシーベルトという数字は、通常の大人が浴びて良い人工放射線の2倍ぐらいです。つまり、このお肉だけを1年間食べ続けないとこんなことにはならないわけです。
 
では、暫定基準値の500ベクレルだったらどうなるでしょうか?0.455ミリシーベルトとなってかなり安全側にいきますね。
 
では、なぜこのような基準値にしてあるのでしょうか?これは、1)数値を監視する必要があるということ、2)もし基準値を超えたものがあってもすぐに回収すれば大きな影響がでないような数値であること
が基準値として必要なことだからです。
 
今回も、福島原発の事故後に屋外にあった餌を食べさせないようにという指示がでていたのに、稲わらに対して指示が徹底していなかったため、このようなことが起きてしまいましたが、今後出荷される牛肉はこのようなことがなくなるでしょうし、もし、出荷されたお肉を食べたとしても大した影響はないでしょう。
 
これらのデータは、不幸なことに広島・長崎の原爆で一度に大量に放射線を浴びた多くの方とその後に開発された原子力空母や原子力潜水艦で弱い微量の放射線を長期間浴び続けた兵士達(癌や白血病が増えたというデータはない)のデータやチェルノブイリ事故後のデータが蓄積された結果わかってきたことなのです。微量な放射線は浴び続けた場合には、むしろ免疫が活性化され発ガン率が下がるというデータもあって、議論が続けられています。
 
怖い怖いといって不安を煽って視聴率が稼ぎ販売部数を伸ばそうとする愚かなマスメディアにだまされないことが大事だとわたしは感じています。
 
放射線は怖いです。正しく恐れる必要があります。でも、闇雲に恐れる必要はないのです。

#その他

この記事を書いた人