ゲール語あるいはバイキングの言葉である Norse(面倒なので以後ノース語と書きます) でつけられた地名はとても奥深いと感じているゲール語好きのKWC企画世話人です。
Tha mi ag ionnsachadh Gaidhlig.
これは”わたしはゲール語を勉強しています”というゲール語です。
さて、昨日の”どの蒸留所でしょうか その30”の答えは、ラフロイグです。
ラフロイグはとても有名ですし、地名の意味はわかっているはずですよね。でも、実は定説になっているのがないと言ったら驚かれるでしょうか。
まず、アイラの情報をいろいろ紹介しているサイトをみてみましょう。
そのなかに地名を解説したものがあります。
http://www.islayinfo.com/islay_place_names.html
Laphroaig のところをみてみましょう。
Laphroaig ?N possibly Lag Froig from Gaelic froig, a cave La-froi-aig
* Thus, the hollow where the cave is. The name may also be connected to the ancient
territorial division of Freag.
つまり、ゲール語で Lag Froig(Lagはくぼ地、Froigは”穴”や”裂け目”というゲール語 Frog の genitive 形で、”穴のある”もしくは”裂け目のある”という意味) に由来する可能性があると書いてあるのです。
あるいは、大昔、今の Laphroaig があったあたりは、Freag という地域名だったことに関係があるかもしれないと書いてあります。
その他にも George Mackay という方が書いた Scottish Place Names(2000年)という本の57ページには、次のように書いてあります
Hollow by the big bay : Lag a”mhor aig
”大きな湾のそばのくぼ地”ということです。この解釈はその他の本やサイトでも見ることができると思います。
また、Mike Darton という方が書いた The Dictionary of Place Names in Scotland New Editon (1994年)という本の169ページには、次のようにあります。.
Possibly- but very tentative – ”Loud”(labhar) bay(corrupt form of Old Norse vagr)
たぶん、でも、とっても仮説的なんだけど、ゲール語の labhar”騒々しい”+古いノース語の vagr”湾”が変化したもの → 騒々しい湾 という意味だと書いてあります。
海に面していますから、波や風の音が大きければ、こんな解釈もあるかもしれません。
ということで、調べてみるとまだちゃんと分かっているわけではないようです。
穴のあるくぼ地、大きな湾の側のくぼ地、騒々しい湾
などなどの解釈があって、定説には至っていないと覚えておくしかなさそうです。
#蒸留所