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モートラック 大きな丘

モートラックと英語風にいうのかモートラッハとゲール語風にいうのかいつも悩むKWC企画世話人です。

昨日の蒸留所も速攻でアテられてしまい、ネタはもう尽きつつあります。
この蒸溜所はゲール語でどんな意味を持つでしょう。Mortlach は地名ですから、いつものサイトがちゃんと仕事をしていてくれれば簡単です(笑)。

http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

 Mortlach (Banff), Morthlach.
 ”Big green hill”.

この先生は、Mortlachは”大きな緑の丘”であるとしているけれど、わたしには、”緑”に相当する部分がわかりません。

David Ross という方が書いた Scottish Place-Names(2001)という本の160ページを見てみましょう。

  ”Big hill”, from Scottish Gaelic mor,”big”, and tulach, ”hill”.
  Noted in 1157 as Murthilloch.

と書いてあります。1157年には、Murthilloch なんて綴られていた Mortlach は”大きな丘”という意味だとかいてあります。これなら、大きいは Mor だし、丘も Tulach なので、めでたしめでたしです。

でも、ゲール語を少し勉強するとちょっと不思議だなぁと感じます。ゲール語文法では、名詞が先で、形容詞が後ろだから。こういう地名は、実はバイキングが住んでいたところで、バイキングたちが先に地名をつけて、あとからゲール語にする際に、単語をそのままゲール語に当てはめたためにおこる地名だと昨年のカレドニア学会のときに教えてもらいました。

つまり、この界隈までバイキングの影響はあって、彼らが”大きな丘”という地名を付けた、その後に単語だけゲール語に置き換えて付けられた地名だということです。

意味は簡単に分かっても、スコットランドの地名の奥深さに驚く地名のひとつです。

#蒸留所

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