昨日は、寝たい時に寝て、起きたい時に起きている生活をしてしまい、リズムは乱れたものの体調はかなり回復しているKWC企画世話人です。
昨日の蒸留所の写真は簡単すぎて不評だったようですが、実は、下側の付けた写真と大分悩んだのですが、結局は上の写真にして、看板にモザイクをかけたて、どの蒸留所でしょうか?とやったわけです。下側の写真だとさすがにわかりませんよね~(笑)。
でも、この蒸溜所は、煙突、キルン、水車とそろっていてとても美しい蒸留所と感じます。昨日、ある意味とても歴史的な蒸留所と書いたのは、蒸留所を訪ねるとハイランドで最も古い蒸溜所と案内されるからです。
さて、この蒸留所のゲール語の意味はとても簡単にもかけるのですが、その先に行こうとするとものすごく難しいのです。
いつものサイトをみてみましょう
http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesP-Z.pdf
Strathisla (Banff), Srath Ile.
”The strath of the Isla”.
なんじゃそりゃと思ったあなた、わたしもです。Strathisla はゲール語では、Srath Ile と綴り、意味は”(その)Isla(川)の(その)広い谷”だとあります。気になる Isla について解説があるかと思いきや書いてありません。このぐらいならわたしにも書けます(笑)。英語で Isla、ゲール語で Ile がどんな意味があるのかは書いていないわけです。
スコットランドの地名研究に大きな足跡を残した20世紀前半のゲール語学者でエジンバラ大学教授だった William J. Watson の本を見てみましょう。
Scottish Place-Name Papers, Steve Savage Publishers(2002)
この本は、グラスゴー大学で同様の研究をしているNicolaisen教授によって出版された本で、Watson教授が生前発表していた論文を一冊にまとめた本なのです。
この本が入手できる方(いないかもとは思いつつ)は57ページをご覧ください。
Ile は”hurry(急ぐ)”という意味があると紹介しつつも、Isla という川が Strathisla の場所以外にもあと3本あるけれど、Strathisla の Isla川 を含めて、決して流れの速い川ではないと紹介しているのです。ん~困りますね。
そして、ギリシア語ももちだして、水や飲むという意味に使われる語幹 pi から pila になり、ケルト系言語になるときに、p が落ちて、ila となったという説明がされているのです。ん~わかります?ケルト系言語では、もともと kw や q という音が p になることはあっても、元々 p の音がないから上記のような説明になるのですが。。。。
ということで、とても中途半端なのですが、この Isla という川の意味は、有名な学者によっても、まだ定説になるほど確定していないと知っておけばよいというオチかも知れません。
#蒸留所