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ノートPC 6月の壁紙

先月に続き自分のノートPCの壁紙を紹介するKWC企画世話人です。

先月のスキャパ蒸留所はお楽しみいただけたでしょうか?

今月は、やや南に下がってグレンモーレンジー蒸留所です。わたしが訪ねたときは、夕方かつ雨という状態だったので、雲空なのがちょっと残念ではあります。堅苦しい話ですが、著作権はわたし個人にあります。個人としてお使いになるのでしたら、ダウンロードしてお使いいただいて構いません。

先月もスキャパ蒸留所の名前を Norse というバイキング達の言語によってつけられた”貝床地峡”あるいは”船地峡”という意味だということを説明いたしました。

今月も、引き続き説明してみたいと思います。

まず、Morangie は地名だけど Glenmorangie は地名ではないというところが出発点です。蒸留所名をつけるときに、地名の Morangie の頭に、Glenをくっつけて、ハイランドらしく聞こる名前にしたように感じるのではないでしょうか?

Glenは、みなさんもよくご存知のように”谷”という意味ですから、あとは Morangie という地名の意味がわかれば簡単です。スコットランド議会のサイトに地名を説明したpdfファイルがあって、それを利用するのが便利です。

http://www.scottish.parliament.uk/vli/language/gaelic/pdfs/placenamesK-O.pdf

Morangie (Ross), Moraistidh ”Large meadow”.

とありましたから、”大きな草地”が、Morangieの意味だということがわかります。David Ross という方が書いた”Scottish Place-names”という本の158ページには、元々のゲール語は Mor Innse で、大きな草地という意味だろうということも書いてあります。

ということで、”Glen:谷”と”Morangie:大きな草地”を、くっつければ”大きな草地の谷”ということになりますね。

事情が変わるのは、1993年頃からです。

その頃から蒸溜所は、Glenmorangieは”大いなる静寂の谷”という意味だという宣伝を始めます。

そして、2003年、ローランドに住むゲール語話者から、本来は”大きな草地の谷”という意味じゃないのか?ゲール語をミスリードしてしまうんじゃないか?とクレームがつきます。

当局(the Advertising Standards Agency)は、ゲール語の専門家に相談します。すると、この専門家は、本来は”大きい草地の谷”という意味なのだろうが、地名ではないために、蒸留所がいうような”大いなる静寂の谷”という解釈も成立しうるということを伝えます。また、蒸留所側がゲール語の専門家に相談していた事も重視されました。さらに、訴えたのが一人であったため、この解釈がゲール語話者にも受け入れられているのではないかと判断し、Glenmorangieは”大いなる静寂の谷”という宣伝を使い続けてよろしいということになったのです。

豆知識でした。

#蒸留所

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