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ベンリアック1968 飲み比べ

先日”たらふく”飲んだ時の記事を一つアップし損ねていたKWC企画世話人です。
とても贅沢にベンリアックの1968年を4種類飲み比べて見ました。

 ベンリアック1968 36年 OB
 700ml 51.5%
 蒸留1968年 ボトリング2005年9月
 カスクタイプ:ホグスヘッド カスクナンバー:2708 
 ボトリング本数:111本

 ベンリアック1968 34年 ハート・ブラザーズ
 700ml 49.8%
 蒸留1968年11月 ボトリング2003年5月
 カスクタイプ:シェリーホグスヘッド カスクナンバー:2591
 ボトリング本数:159本

 ベンリアック1968 37年 ダンカン・テーラー・ピアレス・コレクション
 700ml 47.0%
 蒸留1968年11月 ボトリング2006年6月
 カスクタイプ:シェリーカスク カスクナンバー:2590
 ボトリング本数:107本

 ベンリアック1968 37年 ダンカン・テーラー・ピアレス・コレクション
 700ml 48.6%
 蒸留1968年11月 ボトリング2006年7月
 カスクタイプ:シェリーカスク カスクナンバー:2597
 ボトリング本数:262本 

いずれも極楽級ですばらしいモルトウイスキーです。この4種類に出会えて幸せだなぁとしみじみ思います。わたしは宗教を信じるタイプではありませんが、神様ありがとうと言いたくなります。
ですが、ですが、4種類を横に並べて飲んじゃうと好みがでてしまうものだなぁともしみじみ感じて、贅沢になってしまった自分を感じます。

ハート・ブラザースのサーティフィケイトを読んで発見がありました。今頃かよとおっしゃらないでくださいまし(ごめんなさい)。樽はシェリーホグスヘッドだと書いてあるのです。シェリー酒を作るときに使われた大きなシェリーバットを、ホグスヘッドに組み替えて小さな樽にしたのだと思われます。34年熟成でこの薄い色ですから、サードフィルあるいはセカンドフィルの樽なのでしょう。ひょっとしてもっと使い込んだ樽かもしれないと思わせるぐらいにシェリーのキャラクターの影響が小さいように思います。シェリーカスクなのに159本しかないのはホグスヘッドサイズに組み替えていた樽なら納得です。でも、シェリーカスクで熟成したという情報がなければ、それはなかなかわからないのではないかと思います。熟々になったときのバナナというかハチミツのような甘さとかすかな煙、グレープルーツのワタを感じます。これもまたうまいです。

ダンカン・テーラー・ピアレス・コレクションには2種類の樽があります。カスクナンバーが2590と2597です。どちらも箱にはシェリーカスクと書いてありますが、ハート・ブラザース同様に、シェリーのキャラクターを強く感じません。サードフィルかもと思わせます(素人の推測に過ぎません)。カスクナンバー2590は107本しかボトリングされていません。オフィシャルのホグスヘッドも111本しかボトリングされていませんから、そんなものかと思いつつ、少ない理由が知りたかったりします。というのも、カスクナンバー2597のボトリング本数が262本と倍以上あるからです。
この2本はとてもおいしいベンリアックなのは間違いなのですが、同じ会社の特徴は面白いぐらいに違います。カスクナンバー2590は、オフィシャルにとてもよく似た味と香りがするのに対して、2597には、さらに日本のみかんを足したような味なのです。

実はわたしは、オフィシャルが一番好きです。黄桃のような甘さを最も強く感じます。そして、グレープフルーツとそのワタの嫌味ではないかすかな苦味、極楽中の極楽です(そんなところがあるかどうかは知りませんが(笑))。あ~ベンリアック、ベンリアックよ、なぜにそなたはそんなにわたし好みなのか、と酔っぱらいゆえのワケの分からないことを感じてしまいます(ハイ、酔っ払ったときに書いた記事です)。

そして、ここからはまたまた発見です。グラスがからになってからの香りを嗅ぐといずれも”黄桃+グレープフルーツのワタ”のような香りがするのです。もちろん、それぞれのボトルで強弱とさらにそれぞれの香りの強弱があります。ん~好き(笑)。

わたしの好みはやはり、OBが一番です。でも他の3種類も捨てがたいです。あ~なぜにベンリアックはこんなにも好みなのかと、ロミオを好きなばかりにモンタギュー家とキャピュレット家の関係を呪ったジュリエットのように、ベンリアックが好きなわたしを感じます。

ハート・ブラザースが発売されたのが2003年ですから、この4種類がそろうのはなかなかないかもしれません。でも、チャンスがあったらぜひ飲み比べてみてください。面白いぐらいに黄桃+グレープフルーツが感じられます。

#ボトル

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