歓送迎会の後で、美味しいウイスキーが飲みたくなったときに飲んだボトルを紹介するKWC企画世話人です。
ロングモーン1976 33年
700ml 54.4%
蒸留1976年5月7日 ボトリング2010年1月6日
カスクナンバー:5888
カスクタイプ:バーボンホグスヘッド
スリーリバース
まず、香りをかいでニヤでした。飲んでみてもとても幸せです。
裏ラベルには完熟バナナとアプリコットと書いてありますが、わたしにとっては、ベンリアックのような桃を感じました。なんだかロングモーンというよりはベンリアックみたいだなぁと感じたのです。
バーで見つけたらぜひどうぞ。
マニアックな方はベンリアック68と比較をどうぞ(笑)。
ちなみにロングモーン Longmorn という地名がゲール語でどんな意味かについては昔調べたことがあって、下記URLに詳しい論文があります。
http://www2.arts.gla.ac.uk/SESLL/STELLA/STARN/lang/GAELIC/evident.htm
面倒な方に必要なところを抜粋してみます。
Thus the, for speakers of Scots, lexically opaque Gaelic lann “an enclosure” in landa Morgund 1226, Lanmorgyn 1368, from the sixteenth century on displays Lang- spellings (Langmorgoun 1529, Langmorn 1598) and is probably also pronounced accordingly.
1226年には、囲い込みや教区を意味する Landa と、聖人あるいは教区を開いた修道士の名前である Morgund と組み合わせて Landa Morgund と書かれていたことがわかります。
それが、1368年には Lanmorgyn に、1529年には Langmorugoun、1598年になって Longmorn というように変化が記録されてきたとあります。
この Morgund はウェールズ語やコーンウォール語の系統であるブリソニック系の人名である Morgan がゲール語に取り込まれたものという解説にたどり着いてやっとこの地名の意味が納得できるのです(笑)。
http://www.panix.com/~gabriel/public-bin/showfinal.cgi/1428.txt
こちらも必要なところを抜き出しておきます。
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Morgan is a name of Brythonic origin; it is found in Scotland in both
Gaelic and Latin documents in the 12th and 13th centuries. In 12th century
Gaelic, it could have been spelled Morgunn, Morgann, and Morgant.
Thirteenth century Latin documents record it as Morgrun and Morgund.
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つまり、Longmorn は、「Morgan教区」あるいは「Morganの土地」というような意味だとわかります。ゲール語で蒸留所名の意味を見つけていくのは簡単ではないのがわかるよい事例の豆知識でした。
#ボトル