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スコットランドは南半球にあった

しばらくお休みをいただいたKWC企画世話人です。

日本スコットランド協会関西支部では、「不思議の国ブリテン」という連続講義があります。第6回が11月15日に開催されました。そのときにいろいろ調べて面白いなぁと思うことがいくつかありましたので、ちょっとずつご紹介させていただきます。

いまのスコットランドは北緯50度を超えるような地域にありますが、4億年前のスコットランドは南緯25度という南半球にあったなんてことはご存じでした?

写真は、4億年以上前のスコットランドの位置でWikipediaのデータを加工したものです。

フォートウィリアムからインバネスへの大地溝帯、スターリング付近にあるハイランドローランドの境界、ローランドにある丘などの地形は、4億年以上前に巨大な大陸ができようとして3つのプレートが押し合いへし合いした結果で、ネス湖はちょうどその境界、ハイランド/ローランドの境界の山地などは、そのときに隆起したものだそうです。

それから4億年以上の年月をかけて現在の位置に落ち着いたのは2百万年前。

それまでは、赤道を通過したり、完全に巨大大陸の一部になったり、一時期は砂漠化を経験したりと、古い陸地ゆえ経験豊富です(笑)。

現在の地形を作ったのは、繰り返しあった氷河期。最終氷期にブリテン島は完全に氷河におおわれていたので、ネス湖などの普通に水をたたえた湖はなかった。ネス湖ができるのは、氷河が大地溝帯の弱い地層を削ったことと、氷河とけて淡水がたまることができた1万2千年~1万年ぐらい前。

ローランドの蒸留所がある場所は、もともと砂地だった場所が多く、ハイランドの蒸留所がごつごつした岩の山の土地だったというのも、これまでのプレートの移動によってもたらされているのです。

この4億年以上の歴史が、結果として、硬度をはじめとした仕込み水の成分に影響を与えていると思うと、不思議な気分となりました。

やはり、うまい水と酒は歴史がつくるものだと感じた次第。

#その他

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