# 山形県の左沢という地名は読めますか?
昨日に引き続き、読めない蒸留所名の代表例の一つ Auchroisk について書いてみたいと思います。
これを読んでいらっしゃる方々は Auchroisk はオスロスクのように発音するとご存じの方が多いのではないかと存じます。
とても不思議だったので、でかけて直接聞いてみようと思って出かけました。
写真は昨日と同じく2006年に撮ったものです。
Auchroisk をオスロスクと読むのは、昨日の Glen Garioch のような方言ではありませんでした。
エディンバラのSMWSのバーテンダーの方、クレイゲラヒのB&Bのおばちゃんも、オホロイスク(ホはのどの奥から出すホ)と聞こえるような発音だったのです。
つまり、地元の方も、その他の地域の方もオホロイスクと聞こえるように発音するのです。これなら、素直に読めますよね。ゲール語由来の地名としてもすっきりしています。
では、誰がオスロスクと読んでいるんでしょうか?蒸留所の方々だけだったのです。 Auchroisk の蒸留所のお兄ちゃん2人とも、「地元の人はオホロイスクと呼ぶけど、俺たちはオスロスク言えといわれている」と言っていました。
地名としては、Auchroisk はオホロイスクと読む。でも、蒸留所はそうは読まずにオスロスクと自称している。だから、読めなくて当然だったのです。納得でした。
地名とのしての Auchroisk ならゲール語できちんと Achadh a’Chroisg という綴りがあって、Crossing Field という意味になります。実は、Auchroisk は、二つの平野部をつなぐような低地になっている地形なので、ゲール語で意味ある地名なのです。
http://www.linguae-celticae.org/dateien/Gaidhlig_Local_Studies_Vol_21_January_2005-a.pdf
地名ではない読み方をあえてする理由は何か?と考えさせられる事例となりました。
Ath ruadh easg と書けば、ゲール語でも、赤い流れを渡る浅瀬 という意味になります。英語しか知らない方なら、アス(舌を噛むthの発音) ルイ イースク となって、オスロスクと呼べないこともありません。でも、ゲール語では Ath はアーと発音するので、ゲール語としては正しい発音ではありません。
「赤い流れを渡る浅瀬」のほうが「Crossing Field」よりも商売向きなのかも?と思ったりはしているものの、いまだ理由はわからないでいるKWC企画世話人だったりします。
誰か正しい事情をご存じの方がいらしたらぜひ教えてください。
#「左沢」と書いて「あてらざわ」と読みます。
#蒸留所