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お店の思いとお客様の思い

「申し訳ございません、当店は4名様までのご来店をお願いしております」

そうお断りするときがあります。

移転する前は、5人以上でもお店に入れました。

ですが、移転をする時に4名様までのご入店でお願いすることを決めました。

なぜ?5人以上は駄目なのか?

席は空いているのに、なぜ僕はお断りするのか?

もちろん、席数も少ないと言うことも一つの理由です。が、なによりも大人数になると盛り上がってしまい、わかっていてもつい騒がしくなってしまう恐れがあるからなのです。

わざわざおいでくださるお客様達には、いつも大変申し訳なく思っております。

ですが、ご入店されて例えば大きな声で話されていたら、私は「他のお客様もいらっしゃいますので、もう少しお声をお下げください」と言う事になるでしょう。

そうすれば、少なからず気分害される方がいらっしゃるのではないのでしょうか?

お店によっては、少しはその辺が融通が利くかも知れませんが、当店ではお断りさせていただいております。

「それじゃ、席を別々に・・・」と言われても、せっかくお仲間でおいでになられたのにそれでは意味が無いと思いますし、結局いい気分にはなりきれないのではないのでしょうか?

それにこういう場合、席をたち他の席に座られたお仲間の所に歩み寄り、立ちながら話をしていることが多くなります。

それは、他にいらっしゃるお一人、お二人のお客様にとっては物凄く「きぜわしない」(遠州弁で落ち着かない)ことになるでしょう。

もし、そのお一人、お二人のお客様が辛く悲しい気持ちや疲れを癒しに、カウンターと言う止まり木に座っていたら…そういう空間を壊すことは出来ません。

当店を気に入ってくださり、沢山のお客様に来ていただけることは本当にありがたく感謝しています。

いつも心苦しく思いながら、お断りさせていただいているのです。

当店に対する思いを、お一人やお二人のお客様達のために、お気遣いいただけた幸いです。

BARは、人と人との「優しさ」が交差する場所ですから・・・。

#バーテンダーの独り言

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