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ザ・ファースト・ドロップ

■雑感
 
スコットランド産のスピリッツ、はい、蒸留酒が届きました。
 
蒸留酒?
 
スコッチウィスキー?
 
いいえ、スピリッツです。
 
実は、蒸留後、半年程度しか熟成させていない、殆どニューメイクに等しい無色透明な蒸留酒だ。
 
総勢5本。
 
アベラワー、クライヌリッシュ、モートラック、リンクウッド、レダイグが其れだ。
 
クライヌリッシュだけ薄く琥珀色に色付いて居るが、他は全くの無色透明、蒸留所を訪問した時にだけ飲める、あの厳しいかもかもなアルコール度数の高い、荒っぽい風味のスピリッツ達だ。
 
此れまで、ボトリングされたものでは、アイル・オブ・アラン、キルホーマン、ダルモア、セント・ジョージス、余市を飲み、ウィスキーマガジンライブでは、此れに幾つかの蒸溜所のを飲んだ。前者では、ニューメイク素のままのアランに驚き、後者のライブのセミナーでは、グレンガイルのワイン樽のが、僅かな熟成期間にも関わらず、ワインの特徴を上手く取り入れているのに驚いたものだ。
 
ただ、ウォッカと違って、矢張り大麦の蒸留酒で、単式蒸留器により低い度数で留出されたスピリッツは、素材由来の成分を多く含み、熟成の後に瓶詰めされる甘露の片鱗を既に確実に備えている。嗚呼、此れに樽のキャラクターが加わって、バーボン樽由来のバニラだったり、シェリー樽由来のナッツだったり、赤ワイン樽由来のストロベリーだったりのキャラを身に纏うのかと言う感慨を呼び覚ます。
 
何れにせよ、随分とマニアックな趣向だが、モルトマニアックスな僕には見逃せない品々で、メールでのお知らせが在った時点で即刻オーダー。本日の到着と相成った。何れも、アルコール度数63%近辺なので、飲みすぎ注意。
 
では、頂きます!
 
参照:S.Tanida's Home Bar
 
http://tanida.cognacfan.com/my_home_bar/Whisky_Spirits.html
 
( ´艸`)
 
 
■ロッホデール ザ・ファースト・ドロップ
 
蒸留後、半年くらいしか樽熟していないスピリッツ。
 
このウイスキーの新酒の原酒をつくったのは、キングスバリーの関連会社でスプリングバンクの創業者系のロッホデール社。素のままでも勿論、ロック、てソーダ割りにも好適。
 
■ロッホデール ザ・ファースト・ドロップ アベラワー 2008年 700ml 68.8度
 
The First Drop Aberlour 2008
 
熟成されたアベラワーの持つ上品な甘み。それが樽から加わるものだけでなく、しっかりとその原酒に閉じ込められている事が、口に含んだ瞬間に感じられる。アベラワー・ファンには必飲の1本だ。
 
無色透明。ヘーゼルナッツの様なキャラクターでオレンジピールのニュアンス。酒質は重め。アベラワーと言えば、オレンジママレードを思わせる重厚なキャラクターが人気を呼ぶが、此処ではまだニュアンス程度か。がしかし、かなり、しっかりとしたボディだ。コアントローかと思うほどに甘く濃い。
 
distilled in May 2008 at Aberlour
 
 
■ロッホデール ザ・ファースト・ドロップ クライヌリッシュ 2008年 700ml 62.8度
 
The First Drop Clynelish 2008
 
北ハイランドの個性派クライヌリッシュの面目躍如。個性的でパンチの効いた此の蒸溜所のモルトは、ニューメイクで既に其の生まれを声高に語る。クライヌリッシュが好きだという擦れっ枯らしのモルトマニアにお薦め。
 
淡い琥珀色。有り得ない様だが、オークのニュアンスがしっかりと有って、辛口でトフィの様な甘やかさを既に持っている。流石はクライヌリッシュ、脱帽だ。クライヌリッシュは、北ハイランドのモルトの典型例としての渋いキャラクターの持ち主で、土っぽさに海のニュアンスが溶け込んだ、辛口だが、トフィやヌガーの甘さを併せ持つ秀逸な、どっしりとした風格を呈する。もっと飲まれても良い、優れたモルトで、旧蒸溜所で作っていたブローラとともに大好きだ。今は、UDVヒドゥンモルトのボトルが手に入るので、強力大プッシュ。
 
distilled in June 2008 at Clynelish
 
 
■ロッホデール ザ・ファースト・ドロップ モートラック 2008年 700ml 63.3度
 
The First Drop Mortlach 2008
 
この蒸留所のモルトには、シェリー樽熟成の芳醇で滑らかな味わいを想像する愛好家が多い。しかし樽の影響がないにも関わらず、しっかりした味の厚み、余韻に残る上質な甘みは、やはり原酒の素性の良さだろう。
 
無色透明。梅干の仁の様な酸味と刺激。麦芽糖の様な穏やかな甘味にアカシアハニーのニュアンス。スピリッティだがニューポッティではない。モートラックはスペイサイドのトップドレッシングの1つで、ブレンダーに人気のあるモルトだが、其の片鱗は既に在る。
 
distilled in June 2008 at Mortlach
 
 
■ロッホデール ザ・ファースト・ドロップ リンクウッド 2008年 700ml 63.4度
 
The First Drop Linkwood 2008
 
熟成されていないにも関わらず、その味わいの奥に感じられる深み。此れこそが、ブレンダー達に長年上質のモルト原酒として評価されている理由なのか。なぜ熟成すると旨いのか?その答えの一端が垣間見える。
 
無色透明。キャラメルの様なミルキーな甘さで、此れに樽のキャラクターが加わると絶対旨くなる筈だ。リンクウッドもまたトップドレッシングの1つで、優雅な素質が好感度大だが、日本のモルト愛好家には意外と知られていない銘酒を造る。僕は、UD花と動物シリーズ、レアモルトのボトルが好きで、見かけたら漏れなくゲットしている。
 
distilled in October 2008 at Linkwood
 
 
■ロッホデール ザ・ファースト・ドロップ レダイグ 2008年 700ml 62.9度
 
The First Drop Ledaig 2008
 
強烈なピート香が立ち昇る。独特のヨード臭にピートが加わり、強烈な味わい。一度飲んだら忘れない、アイラ島に負けないマル島のニュースピリッツ。レダイグとしてのリリースは少ないので、要チェック。
 
ピーティで、マッチの燃えカスみたいなアフター。アードベッグかと勘違いさせるキャラクターだ。だが、ややパンチに欠けるので、嗚呼と納得。トバモリーのスタンダードなボトルはライトでスイートだが、レダイグはフェノール値35ppmの麦芽を仕込むので、アイラモルトに匹敵するピーティな酒質を呈する。だから、好きなモルトの1つだ。甘辛なモルトで、甘露なスペイサイドモルトと一線を画す。
 
distilled in February 2008 at Linkwood
 
 
でした。
 
いやあ、案外とイケますね。
 
少なくとも、ウォッカより旨い!
 
まぁ、当たり前か。。。
 
( ´艸`)
 

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