本坊酒造・信州ファクトリー内のみの限定発売商品で、
「MARS MALT GALLERY」シリーズ第2弾の3本の内の1本。
1985年12月〜2009年4月、23年
58% Cask No.0324 200ml
オフィシャルのテイスティングコメント
色は赤みがかった黄金色。長期熟成する中で、十分にホワイトオークの成分が溶け込み、
複雑で芳醇な香味を生み出しています。トップノートはフルーティで華やか。
味わいは優しく、まろやかな甘さが感じられます。
香り
軽くピートが香る、新樽で熟成した直火蒸溜のモルト。北海道のモルトと同じ方向。
タールが利いた重いタバコの煙りと灰皿、ブラックブラックガム(強力ミントのガム)、
酸化した油、タクシーのシートと言った、ネガティブな香りに、
米酢の酸味と甘味に加え、ウッディで濃厚なバニラ、そしてラベンダーと
トイレの芳香剤(パラジクロルベンゼル?)の人工的で、軽いフローラルな香り。
味わい
味わいは黄金糖(国産の飴)をさらに濃厚にしたかの様な、
強烈にとろとろなカラメルや黒糖の甘味に、軽いほろ苦さ。カラメルプリン。
そこにみかんの皮や金柑の酸味とプルーンのフルーティーな味わいに、
軽くビタミンが重なる。
そして強いホワイトオークの成分(タンニン)のせいなのか、
口にした事も無い火薬の味を想像し、感じてしまう。
加水後の味わい
加水で長熟らしい、素晴らしいエステル香が開く。
桃やタンニンが利いた青リンゴやその芯、ナッティーでいて、仁の香り。
そしてフローラル。
加水でも重い舌触りは変わらない。
味わいは甘いままで、相変わらず濃厚なカラメルやプルーンの甘味。
大目の加水では、加水前に想像しなかったタンニンの苦味が引き立つので注意。
後味
きな粉(挽いた乾燥大豆)の香ばしくも甘く美味しい余韻が長く続き、
しばらくするとリンゴの芯のタンニンのエステリーな余韻に変わる。
総評
加水で開く香りの変化の面白さもあったが、
個人的には全体的な印象として熟成し過ぎの感じを否めない。
しかしこの熟成感を美味しいと言う人は、きっと多いはず。
#マルス(本坊酒造)