既にご存知の方も多いと思いますが、ここ数年、スコットランドでの新蒸溜所建設が大きな話題を集めていますね。
特に、つい数日前に注目を集めたウルフバーン蒸溜所の操業開始のニュースは、さっそくスコ文研HPでも取り上げられていますので、記事を目にした方も多いことでしょう。
そこで、昨年以前から話題になっていたり、今年になって大きな話題になっている新蒸溜所建設のニュースを、海外ニュースサイトの記事等から、いくつかまとめてみようと思います。
今回は、最も大きな話題になっているウルフバーン蒸溜所です。
ウルフバーン蒸溜所
やはり、ここ数日での大きなニュースといえば、ウルフバーン蒸溜所の操業開始でしょう。今年2013年1月25日には生産が開始され、30日には初のCask No.1が樽詰めされました。
元々、ウルフバーン蒸溜所は19世紀にケイスネス州サーソーに実在した蒸留所で、1821年にスミス家によって建設され、以後1877年に閉鎖されるまで代々スミス家によって運営されていました。(別名Wolf Barn : 1821-30 W.Smith&Co., 1830-7 William Smith, 1852 David Smith)
サーソーは、ケイスネス州の州都インヴァネスの北177kmにある港街で、メインランド最北端にあり、新石器時代の遺跡も残る古い歴史を持ち、バイキングの時代には、オークニー諸島やスカンジナビア半島からのスコットランドへの玄関口として栄えた街。そこに建てられていた旧ウルフバーン蒸溜所は、最盛期にはケイスネス州最大の蒸溜所だったそうです。
新旧ウルフバーン蒸溜所に直接的な関係は無いのですが、新ウルフバーン蒸溜所は、まだ旧蒸溜所の遺構が残る場所から350mほどの距離に建設されています。
蒸溜所の建設計画は2011年5月からスタートし、2012年5月には土地を取得、6月に建設許可を取得、8月上旬には工事着工、9月末にはほぼ完成・・・ということですから、非常にスピーディーかつ大きな障害もなく建設されたと言えるでしょう。
サーソーがウィックよりも北にあることから、メインランド最北端の蒸溜所はオールド・プルトニーからウルフバーンへと遷ったことになりますね。
新ウルフバーン蒸溜所のマネージャーは、元グレンファークラスのプロダクション・マネージャーのシェーン・フレイザー氏。当面の運営はフレイザー氏を含め3人で行われるのだそうです。
仕込み水は旧ウルフバーンと同じウルフバーン川の水で、ノンピートの麦芽を使用、発酵槽は何とキャパドニックのものを2基導入しているとのこと。(キャパドニックの設備品といえば、昨年、保管されていたマッシュタン、ウォッシュバック、そして4基のポットスチルが、ベルギーのオウル蒸溜所に売却されたというニュースがありました。)
熟成はスペイン産EX-シェリー樽でおこなわれ、熟成庫には既に187樽用意されていrます。これはウルフバーンの現時点での生産量からみて、少なくとも最初の数年間~約25年くらいは充填できるとのこと。年数の幅が大きい気もしますが、将来的な生産と販売の増減を予想して・・・ということでしょうか。
1月30日には、Cask No.1が樽詰めされ、先週5日(金)にはCask No.12が樽詰めされたようです。気になる販売時期ですが・・・やはり3年後の2016年予定。
ちなみに、ウルフバーン蒸溜所の狼のロゴは、16世紀のスイスの博物学者・書誌学者コンラード・ゲスナーのデッサンより。見た目は普通の狼ですが、「海狼」という見た者を幸福にする海と陸で生きる空想上の生物だそうです。
最後に、YouTubeにアップされているウルフバーン蒸溜所建設の様子を。どんどん出来上がっていく施設の様子が面白いですよ!
http://www.youtube.com/watch?v=sQJaecT9hcQ
【参照元】
- Wolfburn.com
- helard scotland : Trio of distilleries launches pland for 2013
- John O’Groat Journal and Caithness Courier : Whisky makers toast first Wolfburn cask
【画像】
画像はそれぞれ参照元サイトより。
各画像をクリックすると各サイトへジャンプします。
#ハイランド #オフィシャル