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ボウモア バイセンテナリ- 1956/1964-1979

絶対にハズレないと最初から分かっている場合、
それは時として非常に退屈なものと感じる場合がありますが、
シングルモルトに関しては、そういったことは当てはまらないと思います。

嗅覚と味覚で体験した感動は、脳に強烈にインプットされるためか、
あるいは人間がいかに自身の官能に正直であるかを証明するためか。
いやいや、思い知らされる/気付かされるためか・・・。
ついつい、そんなことを考えずにはいられません。

そして、そんな感動を与えてくれるボトルの1つに挙げられるのが
皆さんご存知、ボウモアのバイセンテナリ-かと思います。
ていうか、改めて説明することもないですね(^_^;)

今回ご紹介するのは、1956年・1964年のヴァッティングバージョン。
1964-1979バージョンも含め、いくつかのラベルがあるのも
もう皆さんご存知ですよね。
今回は、ラベル下部に度数や容量・インポーター等の表記が無いモノ。

もちろん、パーフェクトな感動を与えてくれるのは間違いありませんが、
ここは偉大なボトルに敬意を払う意味も込めて、努めて冷静に、
しかし同時に大きな感動を持って心行くまで堪能しましょう♪

ボウモア
バイセンテナリ-

蒸留年:1956/1964
瓶詰年:1979
43%

【色】
やや白っぽい曇りのある、明るいオレンジゴールド。

【香り】
柔らか、しっとりと存在感のある香り。終始穏やか。
まず薄く完熟の白桃、爽やかでエグみの無い草の風味があり、
続いて酸味の強い杏、アメリカンチェリー、シャンパンフルーティー。
刺激は無く、柔らかさ(またはスウェード・皮革っぽさ)も感じる。

【味わい】
柔らかで穏やかだが、しっかりとした厚みと広がり。芳醇。
甘く濃密な麦汁感。果肉感は白桃と少しパイナップル。
南国感は突出していないが、滑らかなクリームブリュレとミントが優しい。
奥にやや植物的な苦みが出たが全く気にならない。

【フィニッシュ】
滑らかなクリーミーさがカスタードのようで、馥郁たる余韻をもたらす。
マンゴーのドライフルーツと僅かな燻製っぽさが口中に留まる。
後からどんどん湧きあがるような柔和な香味が素晴らしい。

感動的な官能体験というのは、長く記憶に留まる分、
一方で美化されてしまったり、抽象的な表現に逃げてしまいがちですが、
残念ながら経験不足な僕の鼻と舌では、そうなってしまいますね・・・。
(いや、凡人だからこれでいいかと言い訳したくもなる! 笑)

つい嬉しい想像をしがちな南国フレーバーは、ゆったりと穏やかで、
確かに存在するものの、それは想像よりも淡く穏やか。
クリーミーな果肉感とでも言いましょうか、そういった柔らかなニュアンスが
全体を優しく包みこんでいて、上品な中にも素朴な香味も感じられます。

もう1つ印象的だったのが、植物的な青さ、草のようなニュアンス。
実はこれ、いただいたBarのマスターが仰っていたんですけど、
「抜栓時は、もっとクリーミーだったんだけど、意外と草っぽさが出てしまった」
とのこと。

確かにそう感じ、言われたから引っ張られたこともあったかもしれませんが、、
他のバイセンテナリーの記憶と照らし合わせたことも大きかったです。
実は、これをいただいたのは昨年暮れでしたが、遡ること約半年前に
縁があって2つのバイセンテナリ-を比較することができました。

左は、同じ’56/’64ヴァッティングのもので、
ラベル下部に「26 2/3 fl oz」表記。
右は、’64-’79のものです。

右が強い南国感に溢れていたのが印象的でしたが、
左は今回のモノと比べると、もっと柔らかで草っぽさが穏やかでした。

直近とはいえ約半年前の記憶になってしまいますが、
こうして1年のうちに3本も感動体験を味わえたことは本当に有難い話です。
欲を言えば、こういう体験は何度もしたいですよね、ホント(笑)
それにしても・・・これで15年なんですね・・・怖っ!(爆)

ごちそうさまでした(^o^)/

※文中の「官能」とは、いわゆる目・耳・鼻などの感覚器官の働き、
または感覚器官の働きで得られる快さのことです。
言うまでもなくエロではないですよ~w


さて、今回は1956年と1964年に注目して、
偉大な2曲をお届けしましょう。

まずは1956年。
この年はJAZZの重要な年で、例えばマイルスのプリスティッジ期の
「Cookin'」・「Relaxin'」・「Workin'」・「Steamin'」が録音されたり、
セロニアス・モンクの名盤「Btilliant Corners」が録音された年です。
そして、ソニー・ロリンズの大名盤「サキソフォン・コロッサス」。
というわけで、まずは"You Don't Know What Love Is"です♪

そして1964年。
この年は、コルトレーンの「至上の愛」がリリースされた年です。
最強カルテットの織りなす全4楽章の大組曲。
言うまでもなく、これを聴かずして・・・!ですよね。
動画は’65のフランスでのライブ映像。最高です。

#ボウモア #アイラ #オフィシャル

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