個人的に非常に端正で瀟洒なイメージのあるタムデュー。
それゆえか、飲むタイミングを選ばず、いつでも愉しめるモルトだと思います。
一方で、恥ずかしながら率先して飲むことがなかったのもあって、
明確なイメージを掴みきれていないのも正直なトコロ。
今でもそうですが、自ら積極的に飲んでいるときの発見と、試しに飲んでみたときに得る発見は、まったく趣が異なりますよね。
(いえ、どちらが良いとか悪いとかの話では無く)
どちらも非常に楽しい瞬間です♪
さて、こちらのタムデュー。
長熟バーボンカスクということにも惹かれ、これまで積極的に飲んでこなかった銘柄の1つということもあり、良い機会だからと飲んでみました。
タムデュー
1967 42年
デュワー・ラトレー
蒸留年:1967年1月2日
瓶詰年:2009年9月29日
Cask No. 9
Bottle 98
バーボンカスク
【色】
クリアな濃いゴールド。
【香り】
深く滑らかな香りが、しっとりと広がります。
綿(化繊綿)のようなくぐもった香りと濃いシトラス。
豊かなピンクグレープフルーツ、薄いクランベリーとミルクキャラメル。
おがくずと古い樹皮、樹液、微量のスモーク。
広がりは穏やか、バニリックな軽い刺激も心地良い。
【味わい】
滑らかでメロウな口当たり、極微量のスモークがアクセントに。
ややシルキーでクリア、わたあめ、酸味の強いイチゴジャム。
マスカット、バニラからミルクチョコのニュアンスへと続きます。
ローストした麦、ビスケット、ほのかに木を炙ったような。
徐々に薄いキャラメル感が支配的に。
【フィニッシュ】
パサっとした木屑感とライトな刺激。
繊細ですが、しっかりとした鼻抜け。バニラアイスにメープルシロップ。
どっしりとした重量感のない熟成感とでも申しましょうか、
何とも心地良いリッチでスムースな1杯でした。
中心に柔らかなフルーティーさと樹液感があり、くぐもった綿系のニュアンスやパサッとした木屑感は、良いアクセントとして適度な飲みごたえを与えてくれているようにも感じます。
いや~美味いですね~♪
こういうのは、ゆっくりと静かに飲みたくなってきますね!
インスピレーションは「Round Midnight」でしょうか。
多くのジャズ・アーティストに愛された名曲ですが、今回はコチラを。
ヨーロピアン・ジャズ・ピアノの重鎮、ルイス・ヴァン・ダイクのヴァージョンです。
ルイスのトリオ作品として、個人的に最も好きなアルバム「BALLADS IN BLUE」 に収録されています。しっとりと抒情的なのに内に秘めた情熱を感じませんか。
Round Midnight
#タムデュー #スペイサイド