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ワインの味が情報に左右される実験 – モルトも同じかも

「ワインに対する味覚や評価は、テイスティングの前後に与えられた情報に左右される」、ということが実験によって証明されたと、9月14日付の"Science Dairy"に掲載されていました。
となると、モルトも例外では無さそうですよね。






"Science Dairy"によると、高名なワイン評論家のロバート・パーカー氏の"パーカー・ポイント"などの情報が、ワインの評価や味覚までにも影響を与えると、チューリッヒ工科大学のMichael Siegrist教授らによって明らかになり、『Apptite』誌に掲載されたとのこと。

163人の被験者に飲んでもらったのは、アルゼンチン産「Clos de Los Siete Mendoza」(2006年)。これはパーカー・ポイントで92点(100点満点中)と、非常に高評価だったものです。
このワインを、「全く好きではない」から「素晴らしい」までの10段階の評価と「このワインにいくら払えるか」という価格を答えてもらいました。

実験では、163人の被験者を以下のように分類しました。

 A : テイスティング前に、92点だと伝える
 B : テイスティング前に、72点だと虚偽の情報を伝える
 C : テイスティング後に、92点だと伝える
 D : テイスティング後に、72点だと伝える
 E : 何も情報を伝えない

実験によると、事前に情報を知らされたグループと、事後に知らされたグループでは、評価に違いが現れ、最も高い評価だったのはグループA。
最も低い評価だったのは、事前に低い点数を知らされたグループBだったようです。

さらに、「このワインにいくら払えるか」という質問について、事前に低い点数を知らされたグループBが、最も低い価格を付けたそうです。

この実験により、研究者らは「ワイン評論家の意見は味覚にも影響する」という仮説はこの結果によって証明されたと結論付けています。
もし仮に、被験者が自分を良く見せようと情報に沿うような評価をしたすれば、テイスティング後に伝えられた情報によっても評価は左右されるはずです。
しかし、テイスティングの後に与えられた情報は、被験者らのワインに対する評価には大きな影響を与えなかったようです。
そのため、テイスティング前に情報を与えられたグループも、自分を良く見せようと意見を変えていたのではなくて、事前情報が味覚に影響したと考えられます。

このことから研究者らは、ワイン愛好家や美食家は自分のメンツを守るために評論家の意見を聞いた後に、ワインの評価を変えることもあるだろう、と考えているようで、今後研究していくとのこと。

グルメ誌を見て行列ができるとか、評論家が店を潰した話なんて良くあります。
こういうことって、モルトのテイスティングにも言えそうですね。
評論家の点数やコメントによって意見を変える人、あくまでも自分の意見に固執する人などなど・・・。
テイスティングについて会話をすると、その人の性格が分かる・・・かも!?

【参考】
Science Dairy – Wine Tasting: Expectations Influence Sense Of Taste, Tests Show

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