The Scotch Malt Whisky Society(以下ソサエティ)のロングモーン。
カスクストレングスでアルコール度数は56.9度。
蒸留年は1968年、37年熟成。コード7.34。
ソサエティは、すべてコード・ナンバーで管理されていて、蒸留所名がボトルに書かれていないのが特徴です。蒸留所名に捉われずにモルトの味わいを愉しむ、ということなんですね。
さらに、ソサエティの商品を購入するには会員になるのが必要…というわけで、飲むには会員になるかBarに置いてあるものを飲む、ということになります。
今回もロングモーン。しかもソサエティですね。
絶対こいつも美味いだろうな~なんて思っていたら、マスターが一言。
「ちょっと違うよ」と。
(うおっ!?何が?何が?)…と、期待が高まります。
何が"違う"のか…?
飲んでみないことには始まりませんよね。
そして、ハッキリと分かった"違い"。
今まで飲んだ、どのロングモーンよりも重厚な香りを持っています。
【香り】
圧倒的なシェリー樽由来の香りですね。
ただ、その香りが非常に濃く、渋さというよりは重さを感じます。
レーズン入りのチョコレートケーキ、プルーン、しっかりとした重厚な木香。
"しっかりとした"と書きましたが、字のごとく硬い香りです。
ややゴム臭とともに穀物香、焦げた砂糖。
【味わい】
飲み口は、硬く少しオイリー。
ピリピリとした強い刺激があり、鈍く重く濃いレーズンのような味わいを感じます。
ブランデーが硬くなったような香り、というのが正しいでしょうか。
と、ここで劇的な変化!
舌の上で、突然弾けるように広がる南国フルーツの味わい!!
やや刺激を伴った、酸味のある南国フルーツ。
グァバとパッションフルーツのミックスジュースっぽいです。
酸味は塩っぽさにも感じられるかもしれませんね。
最初の香りとの強烈なギャップも手伝って、このジューシーな味わいが強く主張しているように感じられます。少し汚い表現で申し訳ないのですが…
唾液が溢れてくる気がしました。
やがて、味わいは木香と穀物香が合わさり、チョコレート、キャラメルに変化していきます。
変化が激しいですね。
【フィニッシュ】
濃いレーズンの甘さと酸味が鼻に抜け、喉にやや刺激が残ります。
少し喉を通りにくい印象でしたが、口中にまだ南国フルーツが残っています。
非常に面白いモルトです。
ちなみに、SMWSのテイスティング・ノートを探したのですが…
【An Absolute Stoater】
This distillery's name means "place of the holy man". A sherry butt has coloured the sample deep chestnut – and deep also is the impact – you feel it all the way down. Even deeper were the Panel divisions, with opinions ranging from "incredible" to "a waste of good whisky". Aromas tumble and tease, presenting sherry, port, burnt sugar, coffee, sauna wood, and cherry brandy chocolate liqueurs in an artist's studio. Water announces aniseed, coal tar and caramel. The neat taste recalls treacle toast and Irish coffee, while with water; Brazil nuts, caramel, salty liquorice and blackcurrants vie for attention: an absolute stoater.
英語っすか…
シェリー・バットが、このモルト(サンプル)を深い栗色に染め、より深く感じるほどに、その深い影響を感じる。意見は賛否両論。香りは深くじらすように、芸術家のスダジオでシェリー、港、焦げた砂糖、コーヒー、サウナの木、チェリー・ブランデー、チョコレート・リキュールを示す。加水するとアニスの実、コールタール、キャラメル。ニートだと糖蜜、トースト、アイリッシュ・コーヒーを思い出させる。ブラジルナッツ、キャラメル、塩気のあるカンゾウ、クロフサスグリが競い合う。絶対の明確さだ。
…もうイヤ(笑)
この間のマガジンライブ09でも痛感したのですが(実は一番の感想)、
過去にタイムスリップして、中1くらいの自分に、
「おい!絶対に、絶対に英語を勉強しろ!必ず必要になるから!マジで。」
と、言いたいですね。
もし、日本語のテイスティング・ノートをお持ちの方がいらしたら、
ぜひ拝見させていただきたいものです。
英語力の無さは置いておいて、このロングモーン、衝撃的でした!
絶対に忘れないし、また飲みたい味。
リリースは2007年ですから、まだ残っている所もあると思います。
ぜひ飲んでみてください!!
#ロングモーン #スペイサイド