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ブラックアイル醸造所へ

2017.5.21

 グレンオードを足早に後にした私の、次の目的地はブラックアイル醸造所。ミュア・オブ・オードからは一旦電車でインヴァネスに戻り、そこから出るバスで30分ほど北上した位置にあります。

 オードを出た時点で、時刻は12時半をまわろうかというところ。次の電車は10分後に迫っており、蒸留所から鉄道駅までは普通に歩いて15分くらい。これは駆け足だな、と飲酒即ダッシュをかましてなんとか電車の時間の3分前くらいには駅前まで来ることができた。
 ふー。間に合ったかな。と、息を整えながらプラットホームの方を見遣ると、どういうことでしょう。既に電車が止まっているではありませんか。ん?あれ?あれ私が乗らなきゃ行けないやつ?など、すっかり心臓の方にいってしまった血液のせいでぼんやりしている脳みそが事実を認識できない間に、電車は滑らかに駅を離れていきました。
 いやいやまさか。まだ、時間まで2分はありますよ。遅れることはあっても、そんな早く出るなんて。バスじゃあるまいし。と、とりあえずホームまで降りていき、掲示されているタイムテーブルを確認して愕然としました。どういう経緯で勘違いをしたのかは分かりませんが、私が出発時刻と認識していた時間は、実際の時間よりも5分遅れたものだったのです。ですので、いま出ていった電車は定刻通り、むしろ2、3分遅れて出ていったということ。
 まじかー、思いながら、次の電車の時間を確認してみると、なんと2時間後。そういうのも、この日は日曜日。公共交通機関の本数は激減しております。このまま、2時間後の電車を待ったとして、インヴァネスに着くのが15時過ぎ。そこからブラックアイル方向へ向かうバスが何分後に来るのかは知らないが、もし、奇跡的に接続できるような時間に来たとして、そこから30分。最寄りのバス停から醸造所までは結構歩くはずだから、そう考えると16時までにたどり着くのはかなり絶望的になってしまいます。

 兎にも角にも情報が必要だ、と一番近くにあったパブのドアを開け、サッカーの試合観戦に熱を上げている地元のおっちゃんがたの中で、テネンツとWi-Fi環境をいただいて、ぽちぽち始めます。
 調べてみると、やはり、インヴァネスに行くルートだとうまく接続ができない。一度北にあるコノンブリッジという町までバスで上がって乗り換えて行く、というルートもあったのだが、やはりバスの本数が少なすぎて時間に合わない。
 すわ、ここまでか。斯くなる上は、醸造所は諦めて、インヴァネス市内にあるブラックアイル直営のパブで一杯やってお茶を濁すとするか。と、半ば諦めかけた頃、グーグル先生は私に光明を与えてくださいました。

(グーグル先生「歩けば?」)

 この時、時刻は13時半ごろ。グーグル先生によると、徒歩のルートなら2時間50分。この通りに行けば到着時刻は16時20分となってしまうが、しかし、20分ほどの差。。行ける。。!

 というわけで、余っていたテネンツをぐびぐびーっと飲み干して、早速歩き始めます。


(さぁ行きましょう。ご覧の通り、歩道などない道をひたすら行きます)

(スコットランドらしい空です。なんだろう、この感じ、めっちゃ懐かしい)

(右手に湖、左手に森や平原といった景色の中、ひたすら歩きます)

(木のトンネルみたいになってる!すごい短いけどトンネルになってる!)

(なにやら巨大なタンクが見えたので、すわ到着かと思いましたが、まだまだ道のりは半ばのはず。なんの建物だったんだろう)

(ブラックシープも)

(そして忽然と看板が!)

(きたきた!)

(とうちゃーく!)

 と、長々と歩き倒して、無事に時間前に到着。急ぎながらも、周りの風景を堪能しながら歩くというのは気持ちのいいもの。途中で、なんか「人生には歩く時間が必要だ」みたいな、教訓めいた観念にとらわれたりもした。電車やバス、車での移動では感じることのできないスコットランドを見つけることができます。人生も同じですね。

 そんなこんなで次回は、ついにたどり着いたブラックアイル醸造所の中身をお届け!

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