MENU

スピリット・オブ・スペイサイド 2017

2017.4.30 ~ 5.2

 スピリット・オブスペイサイドは、毎年この時期に行われるウイスキーフェスティバル。ご存知の通り、スコットランド1のウイスキー生産地、スペイサイドの名を冠しただけはあって、かなり大規模なフェスティバルが開催されます。日本でスコットランドのウイスキーフェスティバルといえば、ダントツで5月下旬から6月頭に開催されるアイラフェスティバルが有名かと思いますが、スペイサイドのフェスも負けてはいません。
 二つのフェスを比べた時に、アイラフェスの方がより高い認知度を誇っている理由としてはいくつかあるでしょうが、その中でも一番大きいのは「フェスボトル」の有無じゃないでしょうか?ご存知の通り、アイラの現役蒸留所8ヶ所は、それぞれ持ち回りでオープンデイを担当し、毎年その日にリリースされるウイスキーを求めて多くの方が訪れます。翻って、スペイサイドフェスの場合は、そういったフェスボトルがありません。中にはリリースする蒸留所もあるという話ですが、それも毎年というわけではなく、その情報も非常に限られているので、「フェスボトル」という大きな看板がないのです。
 とは言え、毎年スペイサイドフェス向けのブレンデッドモルトはリリースされていますし、何より蒸留所の数がアイラに比べて6~7倍。日程こそ、10日ほどかけてやるアイラフェスに比べてスペイサイドフェスは5日間と短いですが、驚くべきはそのイベント数。普段はツアーをしていない蒸留所が門を開いたり、各ボトラーズがテイスティングイベントを開催したり、歌ったり踊ったりというイベントを合わせると、その総数は5日間でなんと400を超えます。それぞれのイベントの参加費も、フリーエントリーのものから400ポンドを超えるものまで。ちなみに2017年のプログラムで一番高かったのは、スペイサイド・ウイスキー・ツアーズというツアー会社がオーガナイズする、ラグジュアリーなローバーで回るスペイサイド蒸留所の旅、450ポンド。テイスティング系ですとGM社がお送りするもので300ポンド。一体どんなモルトが飲めるってんだ。。じゅるり。。

 私も、ささやかながらいくつかのイベントをとっており、その一発目が、この日の12時半からスタートするストラスアイラ主催のイベント「Straight from the Cask」(45ポンド)です。言っても7,000円くらいはするんですけど、その他のイベントと比べると安く感じる!不思議!

(美しい蒸留所です)

(ツアー前ビジターセンターのバーでのウイスキーリスト。アギーの30年とかがショット12ポンドとかで飲めるの。。?すごくないです。。?)

 ツアーがスタートし、まずはスタンダードツアーと同じように蒸留所内の見学があります。

(ストラスアイラのスチルハウスは木造でとても雰囲気がいい)

 ツアーの途中、ウェアハウスで蒸留所限定のストラスアイラをテイスティングさせていただいたのを除けば、見学自体は別段特別な何かがあったわけではない。なんだろう。これでいいのか。。思いながら、いよいよテイスティングルームへのご案内です。

(そこには5つのグラスが!)

 何を隠そう、私ストラスアイラはお気に入りの蒸留所の一つで、嫌が応にもテンションは上がります。超熟のストラスアイラとか飲めないかなーとワクワクしながら、その時を待ちます。

(ガイドさんの案内で、一つ一つグラスを試していく。さて、きになるそのラインナップは。。)

(シーバス社が蒸留所限定で出しているカスクストレンクスエディションシリーズ。左から、キース、ストラスクライド、ミルトンダフ、アラヒー、そしてロングモーン)

 どれも、基本的には蒸留所でしか手に入らないシリーズで、日本ではまず飲めないボトルたち。しかし。しかしだ。せっかくだから、ストラスアイラのいいやつ飲みたかったなー!!
 
 と、思いつつもせっかくなのできっちり味わう。個人的には洋ナシ青リンゴ系のエステリーがしっかりと出ていたキースがお気に入り。ミルトンダフもシュガーシロップの甘みとバタースコッチ感が効いていたし、ストラスクライドも64.4%というハイプルーフを感じさせないスムーズさで、レモングラス系のハーブもあり良かった。アラヒーもシトラスやトフィー。ロングモーンに関しては色味の通りのドライフルーツ感でよかった。
 同席した皆さんで、あれがいいこれがいい言い合いながら飲む。テイスティングコメントのすり合わせをするのは面白くって、日本のバーでするのなんかも好きなんだけど、やはり国が違えば表現方法も変わってくるもの。私の発したストラスクライドのワックスや、アラヒーのベイクドシリアル、ロングモーンのガンパウダーなんてコメントは、みんな不思議そうな顔をしながらも興味を持ってくれたようだった。しかしこれらのコメント、特にガイドさんには評判が悪かったな。。

 そんなこんなでわいわい言いながら3時間のツアーは終了。寝不足の私はもうこれでフラフラ。みんなに手を振って町へと出て行きます。

#Strathisla

この記事を書いた人