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スターリング、市内観光

2012.06.10

 せっかくなのでグレンタレット、タリバーディン、ディーンストンという3つの蒸留所をまわるのに拠点とした、スターリングの街の様子も、少しだけお伝えしようと思います。

 1707年にイングランド王国に統合される前に存在したスコットランド王国の首都でもあるスターリング。それ以前にもスターリング・ブリッジの戦いやバノックバーンの戦いなど、イングランドとの独立戦争における重要な舞台となった都市であり、18世紀のジャコバイト蜂起の時にも重要な役割を果たした要塞となったり、なにかと戦争と縁のある都市です。

 前日にパブでユーロを観戦しながら泥酔してしまったこの日。二日酔いでややぼんやりした頭のまま、スターリング観光でもしようと、まずは街の中心から少し離れた、ウォリス・モニュメントを目指します。

 途中、コープで朝ご飯代わりにリンゴを一つ買い、そいつをまるまんまかじると、酒の残る頭にリンゴの瑞々しさがなんとも心地よく、中世の面影を残す街並をそんなふらふらと闊歩している様は、なにか映画のワンシーンでもあるかのような気がしてきて、海外一人旅って楽しいなーなどとにやにやしながら、30分以上も歩いたでしょうか。目の前に大きな塔が現れます。


(小高い丘の上に建つ塔)

 ウォリスとは、スコットランド独立に生涯を捧げた英雄、ウィリアム・ウォリスのこと。民衆を鼓舞し、蜂起させて、イングランド王国との戦いを指揮した彼は、いまでもスコットランド史に燦然と輝く英雄として語られています。

 小高い丘をふうふう言いながらのぼり、ようやく塔の足下まで到着。

(丘の上から見下ろすスターリングの街並)

 さらにそこから塔内部に入り、67mあるという塔の上部から見下ろせば、さらにいい景色が見えたのかもしれぬが、塔の中に入るには入場料が必要ということで、例によって貧乏旅行中の私はその部分を割愛。あぁいまにして思えば入っておけば。帰ってきてから、そんなことを考えることも少なくはないですが、当時はやはりウイスキーがメインの旅。歴史や文化は、少しだけ重要度が低かったのですよ。それにしても、もっと勉強しておけばなー。

 そんなこんなで、丘の頂上をぐるりと一周すると、今度は街を挟んで対岸にあるスターリング城を目指します。

(モニュメント付近で見かけたクールな車)


(戦争と縁深い都市ということもあって、街中にはご覧のような大砲のオブジェなども散見される)

(駅周辺は非常に賑わっていて、田舎町をふらつき回ってきた私にととっては都市の趣きをとても感じた)

(市内にある観光アトラクションの一つ「牢獄博物館」。ちょっと見たかったけどやはりスルー)

 ふらふらと街の風景を眺めながら散策し、ゆっくり時間をかけながらスターリング城に到着です。

(どーん。手前のスコットランド国旗の奥にはしっかりとユニオンジャックがはためいている辺りが、なんともシニカル)

 この日は日曜日ということもあってか、敷地内はとても混み合っていた。お城の中まで入ろうとするとやはり入場料がかかるので、最初から入る気はさらさら無かったのだが、それでもなるべく中まで行こうと敷地内にあるお土産屋さんなどを見て回ります。
 余談ですが、この土産物屋さんでは日本人観光客のおばちゃんグループがいて、わいわい言っていた。久しぶりに日本語を聞いて驚いたが、その直後におばちゃんたちが英語ペラッペラで店員さんになにかを訊いていて、英語の話せない私は、非常に壮大な歴史の舞台となった地で、非常にちっぽけな屈折を心の中に抱いたりしておりました。うむむー。

(スターリング城から見下ろす街並。写真中央のあたりに先ほどまでいたウォリス・モニュメントが尖っているのも確認できる)

 そんなこんなでスターリング城も上辺を撫でさするだけでさっさと退却。非常に歴史的に意味のある土地なのに、ホントにもっと下調べとかしていけばよかったなーと思いながら。

(スターリングで一杯やったパブ。上部に「トイレはこっち」とあり、そのすぐ先に「トイレはまだこっち」とあるのが面白かった)

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