2012.5.30
ボウモアのオープンデイをそれなりに楽しんだ後は、この日のもう一つの目的地、アイラエールのブリュワリーへ向かいます。
ブリュワリーは、ボウモアから徒歩でも一時間ちょっとのブリッジェンドという場所にあります。
朝一でボウモアを済ませたこともあり、この時点でまだ昼を少し過ぎたとこ。ブリッジェンドに行っても、ブリュワリー以外には何もないことは分かっていたので、ちょっと一杯飲んでいこうかとボウモアホテルのパブで一杯。オープンデイだし混んでるだろうなーと思っていたのだが、意外にもカウンターにはおっちゃん一人しか座っておらず、わりとゆっくりとお話しすることが出来た。「次はブリュワリーに行くんだ」と言うと、どうも「ブリュワリー」が伝わらなかった様子で「ブナハーブン?ブルイックラディ?」と聞き返されてしまう。「違う違う!ブリュワリー!ビア!アイラエール!」など言うと「あぁ!ブリューリーね」と。私も、なるほどそういう発音なのかと納得して、そうそうそれそれ、などとやっていた。
ほどよいところで店を出て、その「ブリューリー」に向かう。途中でホステルの同居人であるザックと出会い、話を聞くと彼もこれからブリューリーに向かうとのこと。連れ立ってしばらく歩いていると、後ろから車が止まってくれ乗せてくれることに。フランスから来たというカップルにお世話になって、あっという間にブリッジェンドに到着である。
(庭には幾つものテントが)
(ビジターセンターの看板)
(ビジターセンター内部の様子)
とりあえず受付を済ませよう、とビジターセンターに行くと、受付のお姉ちゃん。「ツアーは予約も料金も必要ないから15時にここに来なさい」とのアナウンス。なるほど、ならばそうしよう、ともらった試飲をちびちびやりつつ、カウンターの上に置いてあったフリーのエールケーキを遠慮なくばくばく食べ、隣のショップでTシャツやグラスなんかを眺めたりして時間を過ごします。
時間がたくさんあったので、庭に出てたくさんあるテントも一周してみます。
(アイラエールの各種ドラフトが飲めたり、アイラオイスターが売っているテントがあったりした)
(庭の中央ではおっちゃんたちが音楽を演奏していた)
(人出もあり、ボウモアよりも盛り上がっているんじゃないかっていう印象)
そんなこんなでふらふらしていると、突然おばちゃんに話しかけられる。なんぞ?と思って話を聞くと、なんでも「この間のポートエレンで踊ってたじゃない」とのこと。なんと、こちらのご婦人。例のテイスティングイベントで、私がなかば無理矢理、なかばやけくそで踊っていた姿を見ていたというのである。なんでも踊ってみるものである。
スウェーデンから来たという彼女は、なんでもウイスキーはあまり好きじゃなく、ご主人につれられてやってきたんだそう。こちらではスウェーデンから来たという方もかなり多くいた。ウイスキー人気が高いイメージは無かったが、意外とスウェーデンのウイスキーラバーは多いのかもしれない。
そんなこんなで、お喋りしながら時間を潰し、ようやくツアーの時間。ビジターセンターに戻ります。
適当に人数が集まったところでツアー開始。ツアーといっても、隣の一室で醸造の過程を全て完結しているらしく、我々はその部屋の中で一辺通りの醸造の過程の説明を受けたら、あとは全部質疑応答、というなんとも簡単なツアーだった。
しかも、このツアーを案内してくれたおっちゃんが、訛りが強いのかなんなのか、まー言っていることがさっぱり分からない。
私の英語力では単語を追いかけるのがやっとなのだが、その単語すら拾えないような有様で、マジで何を言っているのか分からなかった。
強いて、はっきりと何を言ったのか分かったフレーズがこちら。「この中にはキルホーマンがアイラ最小のマッシュタンを持っていると思っている人がいるかもしれないが、それは間違いだ。これこそが、アイラ最小のマッシュタンだ」
(どーん。なるほどアイラ最小のマッシュタンでしょうとも)
(こちらがおそらくは醗酵槽)
(一辺通りの説明を終えたら、ざっくばらんに各々がおっちゃんに質問をぶつけていた。おっちゃんが肘をついているのがマッシュタン)
(原料となる大麦とホップのサンプルも)
おっちゃんの英語がラフだったことに加えて、そもそもビールはあまり専門分野でない私。しばらくきょろきょろした後、ザックとともにブリッジェンドを後にします。
(樽もたくさん積まれていた)
これからは二人してホステルのあるポートシャーロットまで戻る予定。
当然、バスで帰る予定だったのだが、バス停まで向かう途中、また車が止まってくれて、ポートシャーロットまで送ってくれることに。
アイラに住んでいるというこちらのお母ちゃんはお喋り好きの剽軽な方。「私はフェス期間中に歩いている人を見かけたら必ず乗せてあげるようにしてるわ。みんなお酒飲んで運転できないからね」と、口を大きく開けて笑ってくれた。ホントにお喋り好きな方で、アイラの色んなことを教えてくれた。ポートシャーロットに到着して車を止めてもなお、話し続けているといった様子で、本当に楽しい時間を過ごすことが出来た。
最後は「フェス中にまた見かけたら乗せてあげるわ」と笑って手を振ってくれ、こちらも笑顔で手を振る。アイラの人の優しさが今ではとても懐かしい。