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017. クライヌリッシュ / Clynelish

2012.04.23

 週明けの今日は、やってきた道を逆戻りしてブローラの町まで。

 1時間強の時間をかけてブローラの町へ到着。町の北外れにあるクライヌリッシュの蒸留所を目指します。
 

(15分も歩くと背の高い煙突が見えてきます)


(ビジターセンターの看板。季節によってオープン時間は変わります。土曜日に開いていたら、今日はプルトニーに行くことが出来たのに。。)


(ディアジオさん系列の特徴ともいえる、巨大なガラス張りのスチルハウスがみえます)


(門にはスチルがデザインされていた)

 久しぶりのディアジオさん系列の蒸留所。例のフリークーポンを握りしめ、ビジターセンターを目指したのですが、扉には「開いてなかったらオフィスに来てね」の貼り紙が。なんと、と思い、オフィスを探してふらふら。


(でっかいタンクや)


(敷地内を流れる川も。赤い)

 オフィスを見つけて扉をノック。というかビジターセンターの隣がオフィスだったのだが。中にいた女性は、なんというか、いままでで一番やる気のなさそうなお姉ちゃん。バルブレアの時を彷彿とさせる感じ。「ツアーに参加したいんだけど」と言うと「ビジターセンターで待ってて」とそちらに案内される。おとなしく待っていると、蛍光のラインの入ったジャケットを羽織った先ほどのお姉ちゃんがやってきて「まだ時間まで少しあるから、先に試飲する?」と。ぱらぱらと降ってきた雨に体を冷やしていた私は、まだ朝10時を過ぎた頃だというのに、喜び勇んで「イエース」
 最初は、スタンダード14年の試飲になりそうだったんだけど、めざとく蒸留所限定ボトルを見つけて「こっちを試飲できる?」と訊いたら、そっちを飲ませてくれた。バーボン樽のカスクストレングスでノンエイジング。


(美味しかった。もちろんシンボルの山猫も描かれていた)

 ほどよく体も温まったところでツアー開始。例によって撮影はNG。お姉ちゃんは、最初こそ嫌な感じだったけど、随所で「質問ある?」と気にかけてくれ、私のジェスチャーのみの質問にも、ぼんやりとは答えてくれた。
 木製のが8槽にステンレスのが2槽のウォッシュバックや、初留・再留で殆ど形の変わらないポットスチルなど、なかなか見所はあったけれど、中でも一番興味をそそられたのが、ウェアハウス内に眠っていたとあるカスク。
 説明によると、この蒸留所は創業が1819年。つまり2019年に創業200年を迎えるので、その年にボトリングするべき樽を、こうして寝かせているということだった。プレートには、確か1993年ビンテージ、とあった気がする。「Celebrate」の文字も刻まれており「このプレートだけでも写真撮っていい?」と訊ねるも、呆れたように「NO」と言われてしまった。
 ボトリングまであと7年。創業200周年記念のカスクは確かに特別だけれど、他の樽も同じように時を刻んで熟成をしていくわけで、当然だけれど、ウイスキー造りに費やされる大量の時間、ってものを肌身に感じて感慨深かった。このボトルが世に出る、その時がとても楽しみです。


(ガラス張りのスチルハウスを外から)


(横からも。ボール型のでっぷりしたスチルからネックがコンデンサーに向かって伸びていっている)

#Clynelish

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