2012.04.20
グレンモーレンジを後にした私は、一路A9を西へ。エダートンという町を目指して歩き始めます。
グーグルマップ先生によると、5マイル足らず、役1時間半の行脚です。途中から降り出した雨が徐々に強くなり、傘を宿に置いてきたことを後悔しつつもせくせく歩きます。幹線道路とはいえ歩道は無いので、車に気をつけながらの行程。
(こんな道。ホントに後ろから来る車に轢かれないか心配)
余談ですが、この道中、パトカーが私を追い抜いていったかと思ったら、先で駐車して、おまわりさんが降りてくる。
職質か!?とテンパリながらも、にこやかに「俺は、このままエダートンに行って、バルブレア蒸留所を見てくるんだ」と説明すると「そんなことより、この辺で16歳くらいの女のコを見なかったか?赤髪の。こんくらいの背の」と。「見てないよ」と言ったら「チアーズ!」と言い残して行ってしまったのだが、あれはなんだったんだろうか。
そんなこんなで雨が強くなる中、エダートンの町に到着。町を南北に伸びるステーション・ロードという通りに右折して入り、そこからしばらく行くと看板が見えてきます。
(看板を目印に左へ下っていく道へ入ります)
看板を超えてしばらく行くと蒸留所に到着です。
(蒸留所全景)
(門にはバルブレアのロゴがデザインされていた)
(蒸留所正面。いい雰囲気)
(オフィスの入り口。1790年創業と歴史のある蒸留所です)
オフィスに入って行きツアーの申し込み。こちらの蒸留所もHPを見る限りではツアーをやっている様子だったのだが、ちょうどビジターセンターをこれから建設するところだかなんだかで、HPからは予約できない。とりあえず「予約はしてないけどツアーできる?」と訊いてみると「次のツアーは14時からよ」と。この時点で時刻は12時半くらい。1時間半は長いなぁと思いつつも、もとより他にすることは無い身。「待ってます」と言うと、待合室みたいなところで待たせてくれた。
(待たしてもらったラウンジ)
ラウンジの机にはたくさんのウイスキー雑誌があったので、それを眺めて時間を潰す。すると、13時を少し過ぎた辺りで、先ほど話をしたお姉ちゃんがやってきて「いまから行く?」と訊かれ、早くツアーをやってもらえることに。もちろんお願いしたのだけれど、このお姉ちゃん。俺が英語を喋れないとみるや、明らかに呆れ返ったように苦笑して、なんか嫌な雰囲気。なんで、こんな英語も理解できないようなやつのためにツアーしてやらなきゃだめなのかしら、とか言われてるような気がした。
ですが、そんな雰囲気にやられるほどグロッキーではありません。むしろ、相手が呆れて大声を出してしまうくらいの感じでしつこく分からないところは訊きながらまわる。とはいえ、ホントに訊きたいことは英語じゃ訊けなかったりしたのだけれど。
そうこうするうちにスチルハウスへ到着です。
(どーん)
とてもずんぐりむっくりしたシェイプで小型のスチル。「ラブリーだね」って言ったら「とても小さいでしょ」と笑顔を見せてくれて、なんとなく雰囲気も良くなった。写真撮っていいか訊いてからぱしゃぱしゃ。
(手前の赤が初留、青が再留。一番奥のスチルは現在使われていないとのこと)
(一番奥の古い再留釜。なんでも創業当時のスチルと同じサイズなんだとか)
(ネックの先は屋外のコンデンサーにつながっています)
と、大はしゃぎで写真をぱしゃぱしゃ。しばらくしてお姉ちゃんのもとへ帰ると、呆れたように、それでも温かく「満足した?」と笑いかけてくれた。
ウェアハウスも「すきに見ていいわよ」とのことだったのでお言葉に甘えて。
(「DUTY FREE WAREHOUSE」の文字が。この中にある限り、ウイスキーにも税金はかかりません)
(中はひんやりとしている。伝統的なダネッジ式)
(「一番古いカスクはどれ?」と訊いたら「この熟成庫では93年かな。全体では知らないわ」と。なんとも)
(ウェアハウスが並んでおります)
満足してウェアハウスを後にすると「試飲もする?」と。もちろん笑顔で「オフコース!」と応え、オフィスに戻って01年ビンテージをいただきます。と、いただけたのはいいのですが、その間、お姉ちゃんが差し向かいの席で私が飲んでいるのをじっと見つめていて、感想を言おうにも簡単な単語しか出てこず「フローラル」だとか「スムーズ」だとかいってお茶を濁す。
「これからどこに行くの?」というような世間話も。「俺はバーテンダーで、ウイスキーの勉強をしているんだ」というと「それはいい”勉強”ね」と笑っていた。
最初は、なんか感じの悪いねーちゃんだな、と思っていたけれど、終わる頃にはこの蒸留所を好きになっていました。
お礼を言って蒸留所を後に。そう言えばツアー料金を払っていなかったのだが、もともとフリーだったのだろうか?そんなことはないと思うが。。気になりつつもまた2時間足らず、雨の中を歩いてテインへ戻ります。
余談ですが、この帰路でも2度ばかしおまわりさんに声をかけられました。一度目は、停車しているパトカーの中から私のことを窺っているのが分かったので、こっちから「ハーイ」と手を挙げて挨拶したら、相手も軽く手を挙げてそのまま見過ごしてくれた。二度目は、パトカーから降りてきて私になにか言うのだけれど、努力して理解しようとするも、なにを言っているかさっぱり。脈絡無視で「I will go to Tain ! I am tourist」って言っていたら、もういいよ、みたいな感じでそのまま通してくれた。一体なんだったんだろうか。
テインに無事帰ってきてからはずぶぬれのレインコートのまま、もう一軒あったホテルのパブへ。一杯やってからすぐ宿に帰って、濡れた服を乾かして明日の出発に備えます。
#Balblair