2012.04.01
成田からコペンハーゲンを経由してヒースロー空港へ。12時間の空の旅である。
(乗り継ぎのデンマーク・コペンハーゲン空港では、かの有名な人魚姫のレプリカも。板張りのフロアはまるで空港じゃないみたい)
入国審査は「サイトシーイング」の一点張りで突破しようと考えていたのだが、オリンピック前の厳戒態勢に入っているのか簡単には入国させてもらえない。そもそも英語だからなにを言っているのかも殆ど分からない状態で、このまま帰国させられるパターンもありうるな、と心配になるほど。「目的はなんだ」の問いに、ここぞとばかりに「サイトシーイング!」と答えるも「三ヶ月も観光なわけないだろ」と真剣な顔で問い質される。「俺はバーテンダーで蒸留所巡りをしに行くんだ」と言っても「ロンドンに蒸留所なんてないぞ」と一蹴。そこからは「旅程計画書見せろ」「現金は幾らもってる」「カードは何枚ある」「それぞれのカードに幾ら入ってる」「帰ってから仕事はあるのか」「こっちでもバーテンダーの仕事するつもりか」など矢継ぎ早に詰問され、身振り手振りに最終的には筆談を交えて、なんとかスタンプを押してもらえた。
空港の駅でオイスターカードという、こっちで言うところのSuicaみたいなカードを購入。これでロンドン市内の移動はある程度安くなるのだそうだ。チューブと呼ばれる薄暗い地下鉄に乗り込み、今夜の宿へと向かう。時刻は22:00を過ぎている。ヒースロー空港駅からは乗り換えが必要な場所にあり、少しく不安だったが、なんとか迷うことも無く宿まで辿り着くことが出来た。
(Hemmersmithという駅で乗り換えの際に見かけたPubの写真。「本場のPub」っていう佇まいに興奮!)
Edgware Road という駅から歩いて3分ほどの所にあったホステルにはパブが併設されており、私がドアを開けると目の前はカウンターが、右手側にテーブル席、左手側にはソファ席と大きなプロジェクターがあり、若者たちがそのプロジェクターでウイイレをして遊んでいた。戸惑いつつもカウンターのお兄ちゃんに「○△ホステルってここ?」と確認すると、確かにここだと言うので無事チェックイン。笑顔一つなく、恐ろしく愛想の無いお兄ちゃんだな、と感じたけれど、いまにして思えば、このお兄ちゃんが特別愛想が悪かったわけでもない。「お客様は神様です」という言葉に象徴される日本のサービスのあり方とは、根本的に意識が違うのだ、ということには後になってから気付いた。
ドミトリーで男女もごっちゃの14人部屋、そこに並ぶ三段ベッドの真ん中に荷物を放り込み、チェーンでしっかり結わえ付けてから、階下のパブに行き「ギネス、プリーズ!」疲労と緊張によって一杯でふらふらになり、そのまま泥眠。
(ホステルの部屋。開いていた二段目に荷物を放り込んだのだが、これが思っている以上に狭くて苦労した。以後、二段・三段ベッドでは出来るだけ一番上の段を確保するようにした)
(異国の地でのもろもろの不安を押し流すように飲んだギネス。別にビールならなんでもよかったのだが、ラガー系は苦手だし、みたこと無いタップだらけだしで、当初は日本でも馴染み深く、発音も通じやすいであろうギネスばかりを頼んでいた。カウンターのお兄ちゃんが「神風」と書かれたTシャツを着ていて、そこにツッコミをいれるようなコミュニケーションを取りたかったのだけど、英語が出てこないで悔しかった)