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「山崎と食」

少し日にちが経ってしまいましたが、山崎蒸溜所ブロガー限定イベント「山崎と食」のレポートです。
リーガロイヤルホテル セラーバーのオリジナルバーフードが試食できるということで非常に楽しみにしていたイベントです。

<2007年3月31日(土) 山崎蒸溜所ブロガー限定イベント「山崎と食」>
イベントの開始時刻は14時30分。14時過ぎに蒸溜所に到着しました。
蒸溜所入り口付近でmorupon様kawakita様と合流しました。
三人で話をしているうちにtroy様もすぐに合流。
troy様と直接お会いするのはこのときが初めてでした。
自己紹介などしつつ4人でウィスキー館に移動しました。
館内にはWSJの方々がすでにいらしてました。
土曜日のせいか、ウィスキー館は混み合っています。

14時30分、「山崎と食」参加者がウィスキー館の2階に集まりました。
正確な人数を数えたわけではありませんが、30人近くはいたと思います。
2月のウィスキー試飲&ショコラ試食は参加者10人でしたので、だいぶ規模が大きくなっています。

サントリーの方に案内され、ウィスキー館からテイスティングルームのある建物に移動しました。
と、建物の横にリーガロイヤルホテルのロゴの入った車両が止まっています。

車体には「RIHGA ROYAL HOTEL CATERING SERVICE」の文字が。
さすがリーガロイヤルホテル。ケータリングの専用車両があるのですね。
いやがうえにも期待が高まります。

テイスティングルームに荷物を置いてから蒸溜所見学です。
まずは、仕込み・発酵室です。
ここでは破砕した麦芽と水を仕込槽に入れて麦汁を造ります。
その麦汁を発酵槽で発酵させ、アルコール度数7%ていどのもろみ(醸造酒)を造ります。
発酵槽は、ステンレス製と木製(木桶)の2種類があります。
木桶には山崎特有の乳酸菌が棲みついていて、複雑な味わいのもろみが出来上がるそうです。

続いて蒸溜室です。
中に入るとすごい熱気です。この日は蒸溜の真っ最中でした。
山崎蒸溜所は何度か見学に来ましたが、実際に蒸溜しているところを見たのは今回が初めてです。蒸溜室はひんやりして、しんとした場所というイメージがあったのですが、そんなイメージは一瞬で吹き飛んでしまいました。

写真では見づらいかもしれませんが、蒸溜釜の真ん中あたりに三つの小窓があり、中のお酒がその小窓のところまで沸き立っていました。かなりの迫力でした。
蒸溜室の熱気とあいまって、もの凄いエネルギーが感じられました。
蒸溜は、初溜8時間、再溜8時間、合計16時間を要するそうです。

さて、ここで一つお詫びと訂正があります。
2月のウィスキー試飲&ショコラ試食の記事で、初溜釜と再溜釜を色々組み合わせて色々な原酒を造るという主旨の文章を書きましたが、それは誤りです。
不正確な内容を記載してしまい申し訳ございませんでした。

山崎蒸溜所には、初溜釜と再溜釜が6基ずつありますが、それぞれ向かい合った初溜釜と再溜釜を組み合わせて使い、その組み合わせを変えることは無いそうです。
つまり、蒸溜工程におけるバリエーションは6種類ということになります。

ついでに補足すると、山崎蒸溜所では60種類の原酒を造っていますが、
・醗酵槽 2種類(木桶槽とステンレス槽)
・蒸溜釜の組み合わせ 6種類
・樽 5種類(バーレル、ホッグスヘッド、パンチョン、シェリー、ミズナラ)
で、2×6×5の60種類です。

最後に貯蔵庫です。
ここはいつ来ても良いですね。
ウスケバ関係者が、オーナーズカスクの貯蔵スペースに過剰に反応していたのが印象的でした(笑)
オーナーズカスクは一樽50万円から高いものは3000万ぐらいするそうです。

さて、蒸溜所見学の後は、テイスティングルームに戻って試飲&試食です。
僕が座ったテーブルには、右にshacho様、右斜め前にカナモリ@スタッフ様、そして向かいにはセラーバーの塚元シェフが座っておられました。(試食中は塚元シェフは席を外されていましたが。)

まずは山崎の試飲からです。

写真奥の二つのグラスは、左が山崎12年、右が山崎18年でこれらは後でオリジナルフード試食のときに飲みました。
手前のグラスは左から12年、ミズナラ樽原酒、シェリー樽原酒。先にこれらを試飲しました。
蒸溜所の方からは、それぞれ加水して試飲してくださいと説明があったのですが、そこでshacho様が「香りを楽しむには割った方が良いのですが、ミズナラ樽原酒を割るのは僕らからするともったいないですね」とぼそっと一言。
僕も同感です。なので、ミズナラ樽原酒とシェリー樽原酒は半分ストレートで飲んで、残りの半分を加水して飲みました。

ミズナラ樽原酒は、線香を連想させる独特の香りが印象的でした。いつまでも香りを嗅いでいたい気にさせてくれます。口に含むと香りから受けた印象よりも強い味わいで、まず塩味を感じ、それからゆっくりと甘味が口の中に広がる感じでした。

シェリー樽原酒は、甘い香りで、口に含むと木の香りが広がり、それを追いかけるように甘味が広がっていくように感じました。

さて、いよいよセラーバーのオリジナルバーフードの試食です。

上から時計周りに、
・鴨のスモーク 辛子味噌風味
・ハギスとマッシュポテトのカナッペ仕立て
・にしんのスモーク 彩りピクルスを添えて
・サーモンマリネと明太子のタルタル
です。

山崎12年と18年を半分はソーダ割り、残り半分はストレートで飲みながら試食しました。

まず「にしんのスモーク 彩りピクルスを添えて」から食べました。
ピクルスの酸味が絶妙で、にしんの旨みとよくマッチして美味しかったです。
山崎12年の方が相性が良いと個人的には感じました。

それから「鴨のスモーク 辛子味噌風味」。
辛子味噌が思っていたよりもあっさりしていて、鴨の味わいを隠すことなく、引き立てていると感じました。これも美味です。
山崎18年の方が合うと思いました。

続いて「ハギスとマッシュポテトのカナッペ仕立て」。
これは絶品です。文句なしに美味しかったです。
山崎12年、18年どちらでも合うと思いました。

最後に「サーモンマリネと明太子のタルタル」。
サーモンマリネ自体はおそらく繊細な味に仕上がっていたと思います。明太子がアクセントになっていて、美味しかったです。
これは山崎18年が合うと思いました。

いずれも素材の味を生かし、決して濃い味付けではなかったにもかかわらず、ウィスキーに負けない、ウィスキーと相性の良い料理だったと思います。
全体的にピントがきっちと合った、輪郭のはっきりした味だと感じました(漠然とした表現ですが)。

塚元シェフは、これらのメニューを作るのにずいぶん試行錯誤されたとおっしゃっていました。僭越ながら苦労なされた甲斐はあったのではないかと思います。

数日経った今でも、写真を見るだけで、それぞれの料理の味が思い出されます。

イベント終了後は、fukumaru様にご挨拶しました。
それから、morupon様と一緒に蒸溜所の方にいくつか質問をさせていただき、色々と興味深いお話を聞かせていただきました。
充実した一日でした。

最後になりましたが、サントリー、山崎蒸溜所の皆様、リーガロイヤルホテル セラーバー関係者の皆様には厚くお礼申し上げます。
素晴らしいお酒と料理をありがとうございました。

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