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夢を追いかけて

今日静岡市では、毎年恒例になってきた大道芸ワールドカップが開催されていました。
私は、初めての拝見となりましたがいやもうすごい人でしたね♪

市内の街中ではいろんな場所で各々のジャグリングや芸を披露されています。
もちろんTV局の取材も沢山来ていました。

・・・とそんな日には必ず暇になるのが常なので、今日はたまっていた仕込みをせっせと市ながらOPENしました。

そんな所、以前の袋井時代のお客様が来訪。
『お久しぶり』という言葉に合わせていつものカクテル談義と最近の近況話。

暫くすると、また一人お客様が。
それも袋井時代のお客様です。
彼は、まだ若いのですがBARに限らずいろんなことに興味を持っている方で、車やスーツ男のラグジュアリーさを追求している彼です。

そんな彼が今日は疲れた顔で来店してカウンターに座ると少し安らいだのか顔が微笑んできた。
『マスター今日は、僕の設計したOOが発表されたんです』
そう彼は、OOの設計を携わる仕事をしていまして就職してから初めてそれが発表されたというのです。

『それはおめでとう!良かったね!』
心から思いました。

一杯目はいつものカクテルをオーダーし、疲れのせいか少し酔うのが早そうだといわれていましたが、やはり二杯目にはシングルモルトをオーダーしました。

僕の中で彼が疲れているということを考慮し、また特別な日だということも考えお出ししたのが、1980年蒸留のラガヴーリン ペドロヒメネスダブルマチャードです。
約10年前に発売されている商品ですね。

それは偶然(?)にも彼の生まれ年。
『マスターこれって・・・僕が生まれた年です。』
『イヤァ嬉しいです!』
彼は、学生時代その仕事に尽きたくて、いつか思う自分の夢を叶える為に今まで努力してきたことを語り始めました。

その彼にとっては本当に特別な1杯だったと思います。

そして、満足した彼は本当に喜ばしくもひとつの事を成し遂げた『男』の顔をしていました。

最後の帰り際に、『マスター本当に今日はいい一日です。有難うございました。』
そして僕は『その1杯はいつかまた、苦しいときや岐路に立たれた時に思い出すといいよ。これは君にとっての初心なんだと思うから』

BARとはこういうこともある。

『君が求める。だからこそ、その場所は変わることのない時間が流れるのです。』

夢を追いかけて、彼もまた一つの夢をかなえることが出来た。
そして私も常に夢を追いかけている。

それぞれ生きるものすべてが、何かを夢見ていた頃があるはず。
もしかしたらそれは、もう叶えているのかもしれません。

忘れないそのときの一瞬と、その感動。

大切なことですね。今日は、年下ですが彼に勇気をいただいたような気がした1日でした。

#バーテンダーの独り言

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