ハイランド地区T
【T】TOMATIN / トマーチン
●ウェブ・サイト・・・・http://www.tomatin.com/
●所在地・・・・・・・・Tomatin, Inverness-shire
●創立・・・・・・・・・1897年
●所有者・・・・・・・・Takara Shuzo and Okura & Co Ltd.
●発酵槽・・・・・・・・ステンレス×10基(12基との記載もある)
●蒸留器・・・・・・・・初留×6基 再留×6基(大全では12×11)
●仕込み水・・・・・・・オルタ・ナ・フリス川
●ブレンド銘柄
アンティクァリー
トマーチン(ビッグ・ティー)
ザ・タリスマン
シンジケート 58/6
*シンジケート以外は全て「The Tomatin Distillery Co Ltd」が製造しているブレンデッド・ウイスキー。オフィシャル・ホーム・ページ(以下HP)を見た限りでは、現在トマーチン(ビッグ・ティー)ブランドは製造して無いようだった。ま、国分と同じブランド名を扱う訳には行かないだろうが、宝酒造のHPにはアンティクァリーしか扱いが無い(説明文一つありません)。
ウイスキー蒸留施設の閉鎖(2003年)もそうだが、恐らく宝酒造の部分的な撤退、縮小、効率化があったと私は見ている。つまり、オーナーとして名前はあるが実際は別の会社として機能している訳だ。
ま、あくまで私の想像ではあるが、こういった背景でも無い限り国分でシングル・モルト・ウイスキーを大々的に扱える訳は無いと思う(宝酒造と何か関係があるのかな?)。また、最近はボトラーでも良く見かけるようになりましたよね。
これはそろそろ「蒸留所を売りに出したりすることも可能性としてはあるんじゃないか!!」とも思うんだが、考え過ぎだろうか!?
あと上記以外に関連があるブランドとしてオールド・セント・アンドリュースと言うブランドがあるが、宝酒造が買収する前年に所有していた株式を手放しているので、80年代まではブレンドされてる可能性はあるだろうが、現在のウイスキーには全く関連性は無いだろう。
【ティスティング No.115】
ザ・ロンバート・コレクション No.79(トマーチン)1965 46% ロンバート詰め
(多分)For USA , 80”s Rotation
【色】
琥珀色(チャート0.7~0.8)
【香り】
ワックス、古い木材、熟したバナナ、シナモン系スパイス、カスタードのような甘い香りも感じる。
【味、フィニッシュ】
ジンジャーのようなスパイシーさと古い木材。香りに感じたフルーティさは影を潜め、タンニンとバニラの甘さのバランスが長く長く続く。
【総評】
このボトルは情報が少なかったので確証は無いが、外箱やラベルから判断するに恐らく20~25年辺りの熟成期間で、80年代後半~90年前後にリリースされた物だと思われる。
スコットランド最大の蒸留所として拡張されて行く60年代ど真ん中に蒸留されただけあり、曇りの少ないシャープなスタイルを持ったウイスキーで、当時の樽のポテンシャルを遺憾なく発揮していると思われる。
ただ惜しむらくはカスク・ストレングスでは無かったことで、人によっては線がぼけたような印象を持つのではないだろうか?と思うが、高レベルな樽出しウイスキーを知らなければ十分美味しいウイスキーかも知れません。
私などは、度数がどんなに高かろうが「ギュッッ!」と美味しさが詰まった状態が大好物なので、こういう感想が出てしまうのは仕方ないと言うことでしょうね。
現在のリリースは旧ラベルの10年、現行ラベルの12、18、25、30、各種ヴィンテージと、オフィシャルとして日本に輸入されてるだけでも多彩なラインナップ。更に、オフィシャル・ホーム・ページには40年熟成などもあり、「トマーチンここに極まった!」との印象があります。
また、ボトラーにしても多彩なリリースがあり、ダンカンテイラーの40年オーバーを筆頭に、10年以下の熟成物などもあるので、楽しみの幅はとても広いと思います。
ここ数年、シングル・モルトのムーブメントのおかげか、10年前では考えられないような状況になっているトマーチン蒸留所。はたして今後の運命は如何に!?
ちなみに、本によってはスペイサイドに区分されることがあることも書いておきます。
#ハイランド