久々のポート・エレン!真に惜しい今は亡き?アイラの蒸留所は、ドライでピーティな旨きシングルモルトの造り手であった、、、その名残を回顧してオフィシャルの30年物を飲む!
一連の30年物テイスティングのトリはこいつかと思うと感慨深げである!
Port Ellen ポート・エレン ポート・エレン1978
700ml 57.7度
30年物のポート・エレンが登場した。しかも、9thリリース。正直、有り過ぎ(笑)
色: エッジに淡くグリーンがかった琥珀色。
香り: フレッシュ、ミント。微かに海藻香とオイル香。石炭の様な香りも。ストラクチャーが整っており、非常に心地よい。最初は控えめ。エクストラバージン・オリーブオイルや、暖かい日光の下でニスをかけた木の香り。ハチミツ、大麦糖、デザートワイン、リンゴのタルトの甘さの背景には、香りの良いスモークが感じられる。水を加えると、芳香な海のアロマや石炭のスモーキーでピーティなアロマの後、石炭粉をまぶしたフォンダンの洋な香りが現れて、再び消えていく。
ボディ: 軽めのオイリー。タイト。滑らかなミディアム・ボディ。
味わい: 甘さ、塩辛さ、繊細なスモークの風味が相互に作用し合っている。やがて、甘みとミントの様な味わいが広がる。アロマから想像するより遥かに壮大で甘味がある。濃密な甘さとピートオイルが層をなし、豊かな味わいが口の中で踊り続ける。甘く滑らかな味わいに続く、石炭のスモークと塩辛さ。ヒースのハチミツを混ぜたタプナード・ソースの風味。水を加えると、オイルの洋な滑らかさの後に、バターや塩の風味が現れる。仄かにほんのりと甘い甘草の名残りが長く続く。
後味: 甘い。ミディアムな長さ。突然ドライになり、ポートエレンの率直なキャラクターが前面に出てくる。続いて、海草と潮の風味が占める。スモーキーと言うより、ピーティな風味。水を加えると、石炭のスモークの魅力的な香りが長く余韻を残す。そして、最後にスパイシーな刺激がやってくる。
リリースの来歴は、以下の通り(正し、カスク違いが幾つか記憶にある)。
ポート・エレン1978(29年・8thリリース) 700ml 55・3度
ポート・エレン1979(28年・7thリリース) 700ml 53.8度
ポート・エレン1978(28年・6thリリース) 700ml 54.2度
ポート・エレン1979(25年・5thリリース) 700ml 56.2度
ポート・エレン1978(25年・4thリリース) 700ml 56.2度
ポート・エレン1979(24年・3rdリリース) 700ml 57.9度
ポート・エレン1978(24年・2ndリリース) 700ml 59.35度
そして、ファースト・リリースに狂喜したあの頃が懐かしく思い出される。
ポート・エレン1979(22年・1stリリース) 700ml 56.2度
物品税法が1824年に施行されて間もなく、地主のウォルター・キャンベルの支援を受けてアレクサンダー・マッカイが創業した。ジョン・ラムゼイのものとなり、彼とその相続人達の手によって経営されてきた。
1920年にジョン・デュワー&サンズ社とジェームズ・ブキャナン社に売却されたが、1925年に両者ともDCL社と合併。 1930年にポート・エレンの経営はSMDに引き渡された。1929~66年まで休業していたが、モルト製造は引き続き行われた。蒸溜所は1967年に建て直されて大きくなり、1973年に大型のモルト製造所が新たに建てられた。蒸溜所のライセンスは、ロウ、ロバートソン社が保有。1983年5月に蒸溜所は永久にウィスキー製造を止めてしまったが、モルト(発芽大麦)製造所は1987年の製造業者間の歴史的条約に従いアイラの全ての蒸溜所、並びに隣のジュラにモルトを出荷している。
発酵漕はカラ松製が8機。ポットスチルは、1967年の拡張工事の際に2基から4基に増設され、初留釜2基・再留釜2基を稼働させていた。仕込用水は背後の丘にあるローリン湖から引いていた。
蒸溜所は、ポート・エレンの中央から半マイルのところ、モルト製造所の建物は海岸線に聳えている。1824年の物品税法は蒸溜所へのスピリット・セーフ導入を定めていた。製品に有害な影響を与えないことを確認する試験が必要となり、公式な実験がポート・エレンで進められた。1980年8月11日にモルト製造所はエリザベス女王陛下の訪問するところとなり、記念ボトルが詰められた。
ポート・エレン1979年は、2001年に限定リリースされた蒸溜所オフィシャルボトル。1979年蒸留、2001年瓶詰の22年物、6000本限定のカスクストレングス。2002年に6,000本、2003年に6,000本と、3年かけて合計18,000本のリリース計画の第1段だ。
香り:とても香り高い。バイソン草。ややスモーキー。
味わい :土、コショウ、砂。渋み。 後味:フルーティ、海草、著しい塩味。食欲をそそる。
Limited Edition Numbered Bottle No. 0234
Port Ellen Distillery、イギリス
いいですね、アイラモルトは。
流石の塩も、海藻も、ピートも大人しいが、その分、熟成の極みにバランスしたこれら3つのテクスチャーは、バランスよく、エレガントで、余りに優美。
フレッシュで、心地よいボディと口当たり、喉越し。
或る意味、出来の良いコニャックと比肩し得るキャラクターの持ち主だ。
これまで、様々なオフィシャルの30年ものを飲んできた。
アードベッグ、アイル・オブ・ジュラ、アベラワー、エドラダワー、グレンゴイン、グレンファークラス、グレンフィディック、グレンモーレンジ、ザ・グレンリベット、スプリングバンク、タリスカー、タリバーディン、ダルモア、ハイランドパーク、バルヴェニー、ブローラ、ボウモア、マッカラン、ラガヴーリン、ラフロイグ。
何れ劣らぬ、銘酒揃い。
そして今日、この列にポート・エレンが加わった。
キタ━(゚∀゚)━!