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たかが水。されど水。

水については色々な考えがあると思う。以前にチェイサーに関する記事で大先輩バードットカムのcomemas様から御教示いただいたテーマをそれ以来ずっと考えていた。
 普段何気なく使って、飲んでいる水。それこそ時には大量に消費する。例えば、洗車、シャワー、トイレ・・・etcしかし、飲料水に至っては意味合いが全く違ってくると思う。そこで下記にモルトの割り水に使われる主な代表銘柄のデータを集めてみた。(スコッチ通信NO25参照を参照しました。)
     製品名(発売・輸入元)                 硬度           原産国
アイスランドスプリング(アイスランドスプリングジャパン) 15          アイスランド
ディーサイド(ウイスクイー )                  22          スコットランド
南アルプス天然水(サントリー)                 30            日本
ボルヴィック(キリンビバレッジ)                 60           フランス
エビアン(カルピス)                        291           フランス
 
 水のテイスティングをしてみた。まずカウンターの上に軟水、硬水各々を入れたタンブラーを並べる。そのグラスを光にかざして揺らしてみる。すると軟水は滑らかに揺れている。対して硬水は明らかにとろみを見て取る事が出来る。次にそれを飲んでみる。前者は口中でも喉越しにしても非常に滑らかである。対して後者は口中では硬さを感じて取る事が出来て、喉越しでもしっかりとした感触を感じることが出来る。ワインで言うところの重いという感じだろうか。その両者の差は顕著である。モルトをよく飲まれる方であれば水に関するこだわりは並々ならぬものだと思います。その皆様のご要望にお答え出来るよう、またお答えするのがwhiskycat1494の務めだと思っております。
 上記はトゥワイスアップを対象にしたデータと感想であるが、当店ではトゥワイスアップにはディーサイドを用いている。チェイサーにしても、もちろんおろそかにしたり妥協していたわけではありませんが、今回こうして水に対してもう一度再考して熟慮する機会を与えてくれた、バードットカムのcomemas様には大変感謝しております。事実、僕も硬度30の南アルプス天然水では柔らか過ぎるかも知れないと感じておりました。やはり、チェイサーは少ししっかりした飲み口の硬水か、中硬水がいいのかも知れないと感じているところにご指摘を頂いてもう一度考え直してみようと思えました。
 山崎蒸留所に行って飲ましてもらった仕込み水の硬度を聞くと90、今はおそらく終売で入手困難な以前モルトバーで圧倒的な支持をされていたハイランドスプリングで硬度120、硬水を使う事で知られるグレンモーレンジの仕込み水は190、バーボンの仕込み水は大体300~350。カスクストレングスなどの高いアルコールを飲んだ後に口中や食道をリンスするには?一体どの位の飲み口がベストなのだろう?試行錯誤している。
 その過程で当初考えていた南アルプス天然水はやはりチェイサーとして考えてみるとしっくり来ない気がした。適度な硬度で口当たりがしっかりした水。硬すぎてもしんどい。ちょうどいいのは中硬水で若干飲み口のしっかりしたもの。かつ入手がし易く、コンセプトから考えてコストを価格に転嫁しなくても良いもの。それを今探している最中である。
 当店はかなり量の多いチェイサーを提供する。開店初日はペットボトル1ケースを消費した。今の所ボルヴィック、六甲のおいしい水などを使い分けているが結論に達するにはまだ時間を要しそうである。

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